1. 労災保険給付の範囲
労働問題の相談

労災保険給付の範囲


 健康で安全に働き続けることができればよいのですが、仕事中に機械などでケガをしたりすると、働けないし医者にも行かなくてはならないし、本当に困りますね。
 労働者が「仕事をしているとき」(業務遂行性)に「仕事によって」(業務起因性)ケガをしたり病気になったり死亡したりすることを労働災害(労災)と言います。労災と認定されると、労災保険から医療費や休業補償などの給付を受けることができます。「私の職場は小さいし、個人経営だから、労災に加入してくれない」とおっしゃる方もあるでしょう。でも労災保険は、原則として強制適用ですから、労働者を一人でも雇っている使用者は加入しなければなりません。だから労災にあった場合には、事情を話して労働基準監督署に申請することが大切です。パートでももちろん労災補償を受けられます。また、労災保険の給付は、労災の発生がその労働者自身の不注意による場合でも行われますので安心してください。
 また、通勤の途中でケガをしたり死亡したりした場合、これは「仕事をしているとき」にはあたりませんが、通勤災害として労災保険の給付を受けることができます。自宅と職場の往復が「通勤」ですが、朝、子どもを保育所に送っていくなど日常生活上、合理的な経路の範囲内の寄り道であれば、「通勤」に含まれます。