1. 少年法には何が定められているのですか?
少年問題の相談

少年法には何が定められているのですか?

A、少年法1条には、「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の整備に関する保護処分を行う・・・ことを目的とする」と定めてあります。

  少年法が対象とする少年とは、基本的には、14歳から20歳未満の未成年者を意味します。
  20歳未満というのは、非行を犯したときの年齢ではなく、家庭裁判所で審判を受けるときの年齢ですので、20歳の誕生日の直前に犯罪を行ったような場合には、少年法の対象とはならないこともあります。
  少年法でいう少年には、少女も含まれています。
  なお、14歳未満の子どもであっても場合によれば、家庭裁判所の審判を受けることがあります(触法少年)。

  成人が犯罪を犯せば、刑罰を科せられますが、少年の場合には、刑罰を科すのではなく、保護処分といって、少年が立ち直るために必要な手だてを講じることが中心です。
  少年は、良くも悪くも成長過程の未成年であり、変化に富む存在です(これを可塑性といいます)から、自らの非行を振り返り、内省を深めていけば、ほんの僅かの期間であっても、大きく変化することがあるのです。
  家庭裁判所は、非行を犯してしまった少年が更生するために何が必要なのかを検討するところであって、少年法は、家庭裁判所が少年に対して少年が更生するのに必要な保護処分を科すための手続を定めている法律なのです。
 
  少年法は、少年の処罰をすることを目的とはしていませんので、成人の場合にはいくら素行が悪くても犯罪行為を行わない限り、逮捕され刑罰を科されることはありません。
  しかし、少年の場合には、犯罪を行うおそれがあるのではないかと思われる場合(ぐ犯少年)には、保護処分が選択される場合もあるのです。
  深夜徘徊をし、犯罪を犯しやすいような場所へ出入りを繰り返しているような場合には、その少年が犯罪を犯したり、犯罪に巻き込まれないように保護する必要があるからです。
  ですから、犯罪を犯していなくても、鑑別所に行かなくてはならない場合もあり得るのです。
  その結果、少年院送致もありえます。
  少年院は、少年を処罰するところではないからです。