1. 会社の役員であれば労災保険の適用にはならないか
労災・過労死問題の相談

会社の役員であれば労災保険の適用にはならないか

Q:私の夫は、小さな町工場の工場長です。一応取締役の肩書きをもらっていますが、代表権もなく、役員報酬ではなく、給料という形で賃金をもらい源泉徴収もされています。
    工場での事故でけがをした場合には、会社の役員であれば、労災保険の適用にはならないのでしょうか。
 

A:会社役員は、会社の経営に携わるものですから、原則的には「使用者」であり、労災保険の対象となる「労働者」ではありません。したがって、労災保険の対象にはならないことになります。

  しかしながら、ご質問のように、形式だけが「取締役」であり、実質的には、業務執行権も持たず代表権もない、社長や専務の指揮命令に従って、現場を統率しているような方もおられます。

  労災保険法上の「労働者」であるか否かの判断は、労働基準法上の「労働者」であるか否かの考えと同じとされており、その判断は、形式的な「ポスト」の名称ではなく、事業主に雇われて賃金を支払われており、実質的な指揮命令を受けるいわゆる「支配従属関係」にあるか否かで判断されることとなっています。

  ご質問のような場合には、実質的には「労働者」として労災保険の適用を受けることができるものと思われます。