1. 通勤災害とは
労災・過労死問題の相談

通勤災害とは

Q:仕事を終えて、帰宅する途中、飛び出してきた猫をよけようとして、車の運転を誤り、ガードレールに衝突して複雑骨折の大けがを負ってしまいました。仕事が終わってからのことなので、労災補償の対象にはならないのでしょうか。 
 

A:確かに、仕事が終わった後の、帰宅途中のことですから、仕事をしているときに、仕事によってけがをしたという意味での「労働災害」にはあたりません。
  しかしながら、通勤の途中(行き帰り)にけがなどをした場合には、「通勤災害」として、労災保険給付の対象とされています。

  大切なことは、「通勤の途中」であることです。仕事を終えた後又は仕事に就くために住居と職場の間を「通常の経路」で、往復する途中であることが要件となります。
  事故にあったときの経路が、通常の経路であれば、通勤災害として、労働基準監督署に、労災申請をすることで、保険給付を受けることができます。

  この場合、自損事故で、自己に過失があることは、労災の給付の妨げには原則としてなりません。重大な過失や故意による場合のみが、給付についてのチェックポイントになります。

  「通常の経路」であるか、「事故の原因が重大な過失や故意」に当たるかなどの判断の詳細は、労災に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。