1. 仕事中に大けがをしたら
労災・過労死問題の相談

仕事中に大けがをしたら

Q:私の夫は、機械を製造する工場で働いていますが、先日、仕事中に、機械に手を挟まれて、手首を切断する大けがをしました。治療費や休んだ分の給料、これからの生活のための保障、慰謝料などは会社に払ってもらえるでしょうか。
 

A:仕事をしているときに(業務遂行)機械に挟まれれてけがをした(業務起因性)のですから、この場合には当然「労働災害」(労災)として、補償が受けられます。
 
  その方法としては、まず、その工場を管轄する労働基準監督署に、労災申請をすることで、労災認定を受け、労災保険から保険給付を受けるという方法があります。
  労災認定を受けると、治療費などの実費や休業補償が給付され、後遺症が残った場合にはその程度に応じて、別途給付を受けることができます。

  申請に際しては、労働基準監督署にある請求書に必要事項を記入し、監督署の指摘する必要書類とともに提出することになりますが、請求書には、会社が事故発生状況などについて確認する欄があります。
  会社によっては、そうした会社の協力を拒む場合がありますが、その場合にはその旨を監督署の担当官に告げ、そのまま提出すれば受理されることとなっています。

  一方で、労災認定され、労災保険からの給付が行われても、慰謝料や休業損害などについて100パ-セント補償されるわけではありません。
  そこで、労災認定されて給付された以外の損害について、会社に対し、損害賠償を請求することができます。
   
  しかし、会社に対する損害賠償を請求するには、会社に「安全配慮義務違反」があったことが前提になります。
  「安全配慮義務」に違反していたか否か(本件でいえば、会社が安全装置を外していたとか、安全教育をしないまま新しい機械を導入していたなど)についての判断も含め、専門的な知識も必要ですので、その当時の状況や資料を出来るだけ早く確保し、弁護士などに相談することがよいと思います。