Ｑ．インターネット書店で、業者から本を購入しましたが、送られてきた本はかなり傷んでいました。ネット上は、そのような傷みについては特に表示されておらず、返品についての表示もありませんでした。
返品して代金を取り戻すことはできますか？
Ａ．インターネットの普及にともない、インターネットによる商品購入に際してのトラブルが増加しています。
注意が必要なのはインターネットによる売買は通信販売にあたり、通信販売には、法律上、クーリングオフの規定がないということです。
したがって、このケースでも法律上、当然にクーリングオフはできません。
ただ業者によっては、クーリングオフ制度を採用している場合もありますし、個別に解約に応じるケースもありますから、あきらめずに交渉することが必要です。
仮にクーリングオフができないとしても、このケースの場合は返品もしくは契約の取消ができます。
まず書籍は特定商取引法にいう「指定商品」なので、通信販売業者は返品の可否・期間などを必ず表示しなければならず、その表示がないときは返品が可能と解されています。
またインターネット売買でも、業者からの購入であれば消費者契約法が適用されます。
商品の傷みは、消費者にとって不利益な事実にあたるので、これを告げなかったことは「不利益事実の不告知（同法４条２項）」として、同法により契約を取り消して、代金の返還を請求することができます。