1. 女性と結婚〈女性のはなし〉
女性のはなし

女性と結婚〈女性のはなし〉

結婚年齢
 現行民法では、男性は満18歳、女性は満16歳になれば、結婚することができます(731条)。憲法は「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」としていますので(24条)、成年(満20歳)に達した男女が結婚するのに、法律上、親の同意は不要ですが、未成年者の場合は、父母の同意が必要です(民法737条1項)。ただし、成人年齢を満18歳とする民法改正が2018年に成立しましたので、それが施行される2022年4月1日からは結婚年齢は男女共に満18歳以上となり、親の同意なしで結婚することができます(民法731条は削除)。

再婚禁止期間
 改正前の民法では、女性の場合、離婚の日から6ヶ月経過しないと、新しい男性と再婚できないと定めていました。しかし2015年12月、 最高裁は、この再婚禁止規定について100日を超える部分が違憲、という判断を下しました。
この違憲判決を受けて、2016年に民法が改正され、女性の再婚禁止期間が従来の「6ヶ月」から「100日」に改正となりました(民法733条1項)。ただし、前婚の解消または取消の時に妊娠していなかったり、解消・取消の後に出産した場合には、適用されません。
再婚禁止期間が「100日」となっても、その間に新しい男性との間の子を懐胎することは十分考えられます。DNA鑑定など科学技術が発展した現在、本当に再婚禁止期間が必要なのかどうか議論する必要があります。

夫婦の姓
 日本では、夫婦が同じ姓を名乗ることになっていますので、婚姻届を提出する時、夫か妻かどちらかの姓を選ばなければなりません(民法750条)。しかし、諸外国では、結婚しても姓が変わらなかったり、あるいは別姓を選択できたり、夫婦結合の姓(夫と妻のそれぞれの姓をつなげて1つの姓とする)を用いることができたりする国もあり、同姓を強制しているのは日本だけと言われています。
 希望すれば夫婦の別姓を選択できる「選択的夫婦別姓」も含めた民法改正案は、1996年の時点で既に法務省法制審議会で策定されています。その後も選択的夫婦別姓制度を求める声は一層高まり、何件もの裁判が起こっているにもかかわらず、保守層の反対反発は根強く、25年間国会に上程されていません。
 最高裁は、夫婦同姓を定めた民法750条の規定について、2015年12月16日家族の姓を1つに定めることは社会に定着しており、合理性があるとして「合憲」の判断を下しました。それから5年余りが経過した2020年12月、夫婦別姓の婚姻届が受理されないのは憲法に反するとして3組の事実婚夫婦が訴えた事件について、最高裁は2021年6月23日、再び「合憲」としました。女性が現実には多くの不利益を被り、基本的人権が侵害されているにもかかわらず、合憲判断は司法の責任を放棄するものにほかなりません。

「選択的夫婦別姓」制度の実現が求められています。私たち国民世論で、国会を動かし、制度を実現させましょう。