1. 借地
住まいのはなし

借地

〇土地の賃貸借契約とは

 土地の賃貸借契約は、貸主が借主に土地を貸して使用させ、借主が貸主に対し賃料を支払うというものです。

 借主が借地上に建物を建て、居住や営業という生活の基盤していることも多く、それゆえに契約期間も1日や2日ではなく長期間に及ぶことになります。そこで、「建物の所有を目的とする」土地の賃貸借については、借地借家法が適用され、借主の地位が保護されています。なお、借地借家法が施行された平成4(1992)年8月1日より前に締結された契約については、原則として旧法である「借地法」が適用されます。

 

〇立退き

◆更新拒絶

 ①借地の契約期間が満了するにあたり、借主が契約更新を請求した場合、または、 ②借地の契約期間が満了後、借主が建物を建てた状態で土地の使用を継続している場合、 貸主が遅滞なく正当事由のある異議を述べないと、従前の契約と同じ条件で更新したものとみなされます。

 つまり、貸主が契約の更新を拒絶するには、正当事由が必要とされているのです。

 この正当事由については、貸主が「土地の使用を必要とする事情」、「借地に関する従前の経過及び土地の利用状況」並びにいわゆる立退料が考慮されます(借地借家法第6条)。

 

◆契約解除

 借主が地代を滞納した場合や土地の使用方法が悪い場合などに、貸主から契約解除をされることがあります。

 しかし、貸主からの契約解除についても判例によって一定制限されており、信頼関係が破壊されたと認められる程度の事情がなければ、契約解除が認められないとされています。地代を何回滞納したら解除が認められるか、どのくらい悪質な土地の使用方法があれば解除が認められるかについては、それまでの契約の諸事情を踏まえ事案ごとに検討されます。

 

〇建物収去

 借地契約が終了した場合、原則として、借主は、借地上の建物を収去し土地を明け渡さなければなりません。

 ただし、借主は、建物買取請求権を行使することができます(借地借家法第13条)。これは、借主が、貸主に対し、借地上の建物を買い取るよう請求することができるというものです。

 ただし、地代の不払い等借主側の債務不履行により契約解除された場合は、借主が建物買取請求を行うことはできないという判例があります。

 

〇定期借地権

 土地所有者にとっては、土地の上に堅固な建物が建っていると、土地を自分が利用したいと思っても、なかなか借地契約を終了して出て行ってもらうことはできません。そのため、土地を借りられる期間に上限を設定する「定期借地権」という制度が設けられています。

 定期借地権は、合計3種類あります。①一般定期借地権、②事業用定期借地権、③建物譲渡特約付定期借地権の3つです。

 

①一般定期借地権

 50年以上の長期間にわたり、土地を利用することのできる借地権です。ただし、契約の更新や延長はできません。建物の買取請求権がなく、契約終了時には土地を更地に戻した上で返還しなければなりません。

 これは、必ず書面で定期借地権である旨を明記して行わなければなりませんので、ご注意ください。

②事業用定期借地権

 専ら事業用の建物所有を目的とする借地権です。居住用の建物を所有する目的で土地を使用することはできません。

 契約期間は10年以上50年未満の期間です。

 この契約は、必ず公正証書にしなければなりません。

③建物譲渡特約付借地権

 契約の期間が満了した際、土地上の建物を貸主に売却するという特約付の借地権です。これも、公正証書によって契約しなければならないので、ご注意ください。

 契約の目的などによって、この3種類を使い分けることになります。土地所有者からこうした契約を持ち掛けられた場合など、メリット・デメリットを検討する必要があります。