1. ハラスメントは許せない
安心して働き続けるための法律問題

ハラスメントは許せない

◆上司に頻繁に食事に誘われて困っています…

◆妊娠を報告したら次の日に異動になりました…

◆上司に目をつけられ私にだけ仕事が回ってきません…

 職場でこんなことは起こっていませんか?

 

 ハラスメントかな?と思ったとき、隣のデスクのハラスメントを見てしまったとき、あなたにはすぐにできることがあります。

 

ハラスメントとは?

 ハラスメントとは、職場におけるいじめ、嫌がらせのことを言います。ハラスメントには以下のような類型があります。

 

セクシュアルハラスメント

 労働者の意に反する性的要求や性的嫌悪感を抱かせる発言や動作あるいは当該発言や動作に対する反応により不利益を受けること。

▽たとえば… 

・社長に頻繁に食事に誘われ、断ろうとすると「断っていいの?」と言われる  ため、断れない

・上司が隙あらば腰や臀部を触ろうとしてくるため、抗議をすると降格された

・仕事中に上司から性的な事実関係を聞かれることが苦痛で仕事が手につかない

・上司が異性との交友関係を乱脈な性向であるかのように噂として流布したため会社にいられなくなり退職した

 

パワーハラスメント

 同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係等の職場内の優位性を背景に、業務の正常な範囲を超えて精神的・肉体的苦痛を与え、職場環境を悪化させる行為。

▽たとえば… 

・上司からのひやかし、からかい、侮辱、暴言、暴行等

・職場の上司・同僚ら複数名がグループになって無視をされたり、いじめを受ける

・不必要に過大な業務に従事させる

・年齢や経験に反して仕事が与えられない

・1人だけ就労場所を隔離される

 

マタニティハラスメント

 働く女性が妊娠・出産・育児をきっかけに職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、妊娠・出産・育児などを理由とした解雇や雇い止め、自主退職の強要等をする行為。

▽たとえば… 

・妊娠を報告したら「退職してもらう」と言われた

・「産休や育休は認めない」と上司から言われた

・育児休業を取ったら契約更新がされなかった

・育児のための夜勤の免除を申し出たら減給された

⇒広島中央保健生協事件・最判平成26年10月23日は、理学療法士の女性に対する妊娠中の軽易業務への転換を契機とする降格措置について、原則として男女雇用機会均等法9条3項に違反し無効であるとして、例外的に、①本人が自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき、又は②降格につき業務上の必要があり、均等法9条3項の趣旨・目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは、同項の禁止する取扱いに当たらないとしました。これを受けて厚労省の通達が出され、原則として、妊娠・出産・育休等の事由の終了から1年以内に不利益取扱いがなされた場合は違法という基準が示されました。

 

ハラスメントに遭ったら…?

ハラスメントは違法です

 1人で抱え込まないで、まずは周りに相談をしてください。会社によってはハラスメントの相談窓口で相談できることもあります。

 各都道府県に所在する労働局の雇用均等室は、女性労働者と事業主との間で男女の均等取扱に関する具体的な紛争が生じた場合に紛争の早期解決のために支援をしてくれる機関です。場合によっては、労働局長による助言、勧告等、機会均等調停会議による調停で話し合いの機会が設けられることもあります。

 一人で会社に抗議をするのは勇気がいる…そんなときは労働組合に相談してみてください。

 

こんな請求ができます

 ハラスメントが他人の人格を侵害する程度まで達している場合には、不法行為となり、加害者に対してハラスメントをしている人に慰謝料を請求できる場合があります。

 また、会社の安全配慮義務違反として、会社に損害賠償を請求したり、ハラスメントのない就労環境の整備を求めることができます。

 弁護士にご相談ください。

 

ハラスメントとのたたかい方

 ハラスメントは目に見えない嫌がらせ等ですので、証拠集めが大事です。毎日日記をつける、(可能なら)上司との面談を録音する、友人にメールで相談しておく、労基署に相談し指導や是正勧告をしてもらうなど、ハラスメントがあったことを目に見える形で残しておきましょう。労災申請や裁判の際の重要な証拠になります。

 

 

パタニティハラスメントの違法性を認めさせました!

男性が育児休業を取得したために昇給が認められず、かつ昇格試験を受ける機会を与えられなかったという事案で、当事務所の弁護士が代理人となり、昇給していた場合の賃金との差額分の損害賠償請求及び昇格試験を受けさせなかったことの慰謝料請求を認める勝訴判決を勝ち取りました(医療法人稲門会(いわくら病院)事件・大阪高裁平成26年7月18日判決。最高裁で確定)。