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「調停」とはどのようなものか?(その4)
前回は、調停の手続きの中で考慮しておくことが大切と思われることを、書い
てみました。今回は、家事調停について述べてみたいと思います。
これまで、主に一般の民事調停(簡易裁判所で行われます)を前提にしてきま
したが、今回は、家事調停についてです。
家事調停には、離婚などの夫婦間の問題についての調停と遺産分割など相続に
関わる調停が、みなさんにとっては身近なものとなります。
調停についてこれまで述べてきた一般的なお話は、基本的には家事調停におい
ても共通するものです。
しかしながら、家事調停においては、調停がまとまらなかった場合に、「審判」
という裁判官による判断を示される手続きに移行する場合があるという点に留意
する必要があります。
遺産分割の調停では、話し合いによる解決が困難な場合には、調停から審判に
移行し、裁判官が、遺産分割についての判断を判決と同じように書面にて示す手
続きに移行します。
また、離婚に関連して、養育費や、婚姻費用の分担に関する調停においても、
話し合いがまとまらない場合には、同様に、「審判」による判断が示されること
になります。
したがって、一般事件の調停とは異なり、家事調停の場合には、話し合いがま
とまらなかったときに審判に移行して判断がなされることを念頭において、調停
の進行を考える必要が出てくる場合があるのです。
一般の民事調停では、調停そのものが話し合いとして成立しなかった場合には、
その後どうするかを、その時点で、弁護士に相談して方向性を再度確認すること
でも対応ができますが、家事調停の場合には、審判に移行する前に、一度弁護士
に相談して、その後の対応なども含めて、検討を加えた方がいい場合もあるとい
うことを経験的には感じています。
弁護士 佐 藤 克 昭

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