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「調停」とはどのようなものか?(その1)
今回のお話は、調停についての一般的なお話です。
日常的なトラブルの解決方法の一つとして、「調停」をおすすめすることがあ
ります。
トラブルの解決方法として、裁判を提起することも一つの選択肢ですが、裁判
は、双方の主張を裁判官が、提出された証拠に基づいて、判断をするという性格
を持つため、多くの場合最終的な手段と考えていただく方がよろしいかと思いま
す。
調停は、裁判を提起する前に、双方当事者の直接の話し合いではなく、裁判所
の選任する「調停委員」が双方の間に入り、言い分を聞きながら一定の解決方法
を探るという手続きです。
裁判所の選任する調停委員が、間にはいるという意味では、「公的」な色彩の
強いものではありますが、あくまで「話し合い」を援助するという点では、柔軟
性のあるものというところに特徴があります。
法律的な解釈の争いというよりも、双方当事者の感情的な面も含めたトラブル
という面が大きな場合などは、弁護士に依頼することなく、当事者自身により、
申立を行い、調停に臨むことも十分に可能な面があります。
調停には、「家事調停」と「民事調停」があります。
「家事調停」は、家事すなわち「離婚」「遺産分割」等家庭内の問題について
の「調停」です。
「民事調停」は、一般的な民事に関するトラブルについての「調停」とお考え
ください。
「家事調停」については、家庭裁判所に、「民事調停」については、簡易裁
判所に申立を行うことで調停は開始します。
調停を申し立てる裁判所は、相手になる方の住所を対象とする(管轄といい
ます)裁判所になります。
このため、相手となる方の住所が、遠方である場合には、その地域を対象と
する裁判所に出向くことになりますので、この点が一つの留意点となります。
どこの裁判所が対応する裁判所であるかは、近くの裁判所の窓口もしくは、
法律相談などで確認されるといいと思います。
弁護士 佐 藤 克 昭

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