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佐藤弁護士のなるほど講座

  

弁護士にかかる「費用」

   今回のお話は、弁護士にかかる「費用」についてです。  弁護士に依頼すると大変なお金を取られると思っている方々が、まだまだ少なくないよ うに思われます。  確かに、時々「えっ」と思うような弁護士費用の支払いをされていた方にお会いするこ ともあります。  しかしながら、現在は、各弁護士が、それぞれ事件を受任する際には、弁護士費用の説 明を行い、要請があれば、その簡易見積書などを作成して相談者に交付することが求めら れるようになっています。  従って、弁護士に事件を依頼するときには、弁護士にかかる費用についてしっかりと説 明を受けて、見積もりなどを出してもらって、場合によっては、いったんは検討するため に持ち帰って、よく考えた上で、弁護士に依頼するか否かを決めることが大切です。  以前は、日本弁護士連合会が、弁護士費用などの算定の基準を作成していましたが、現 時点では、そうした基準を作成することはなく、先に書きましたように、各弁護士が、自 らの算定基準を策定し、それを依頼者に提示説明することとなっています。  弁護士にかかる費用については、いろいろな種類がありますが、一般的には次のような ものを想定しておかれればと思います。  相談料  法律相談をして、一定の解決方向などを示してもらうものと考えていただく       といいのではないかと思います。       一般的には、30分5250円ほどの規定にされているところが多いと思い       ます。  手数料  代理人として事件を受任して行動をしてもらうというものではなく、申立書       などを作成してもらうとか、内容証明を作成してもらうなどのアドバイスだ       けではなく必要な書類などを作成してもらうための費用とお考えいただくと       いいのではないでしょうか。       事案の内容にもよりますが、一般的には、10万円までとお考えいただいて       よろしいのではないかと思います。  着手金  事件を委任し、代理人として事件解決に向けて対応してもらうために最初に       支払う費用とお考えいただくといいのではないかと思います。       一般的には、請求金額の5パーセントが一つの目安になると思います。       しかしながら、事件の内容等によって増減しますし、一方請求金額が大きい       場合には、説明の上減額したり報酬により調整することなどもあります。  報酬   事件が終了して解決した内容に応じて支払われる費用とお考えいただくとい       いのではないかと思います。       一般的には、確保した利益の一割が、一つの目安になると思います。       着手金のところで書きましたように、着手金額の決定と関連させて調整する       こともあります。  これらの弁護士費用以外に、実費として一定の金額をお願いすることが一般的になって います。  実費というのは、コピー代や裁判所に訴状を提出するときに求められる印紙代、切手代、 交通費など実際に事件を遂行する上で必要な費用をいいます。  こうした一定の目安を元にして、依頼する弁護士と相談をして具体的な弁護士費用を決 めていくことになります。  簡単な事件のように見えても、申立をするまでの段取りや申立後のトラブルを避けるた めにいろいろな配慮と対応が必要な事案の場合には、どうしてもそれに見合った弁護士費 用をお願いせざるを得ないこともあります。  相談を継続して受けてきて、事案の内容がよくわかってくると、その事件をうまく進行 させたり、問題を事前に解消するための手だてをとったりということを準備することがで きるというメリットがあり、安心して申立などが行えるということになりますが、一方で そうしたことを全く知らない弁護士に依頼するよりも、はるかに高額な弁護士費用を求め られるということもあります。  そういう意味では、弁護士費用はなかなか弁護士自身にとっても悩ましいものがあると いうのが実感です。  依頼するにあたっては、どういうことをどういうレベルで処理してもらうのかをよく考 えて、弁護士と協議をすることも大切だと思います。                          弁護士 佐 藤 克 昭



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