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「特定商取引に関する法律」例1
今回以降は、前回に予告をしましたように、「特定商取引に関する法律」(特定商取引
法)に関するお話を、具体的な事例を挙げて検討していきたいと思います。
今回は、注文などをしていないのに、一方的に品物を送りつけてくる商法についてです。
宅配便などで、頼んでもいないのに商品が送られてきて、びっくりしつつ、開けてみる
と中に、「あなただけに特別に送らせていただきました」「同封の振り込み用紙を使って
代金をお振り込みください」等と書かれた宣伝文書が入っていたということはありません
か?
頼んでもいないのにこんなものを送られては困る。
でも送り返すのはお金がかかるし、請求代金もそう高くはないし、どうしようかと考え、
送り主の会社に電話をすると、いろいろ説得されて、結局代金を支払ってしまうことにな
ったなどということになっては困ります。
こうした頼んでもいないのに一方的に商品を送りつけてくるケースを、「ネガティブ・
オプション」といいます。
こうした場合には、商品を送りつけられた消費者が承諾の意思表示をしないまま一定期
間(商品送付の日から14日、または消費者が業者に商品の取引請求をした日から7日)
経過した後は、業者は当該商品の返還請求をすることができなくなるということが特定商
取引法に定められています(59条1項)。
従って、こうした一方的に商品が送りつけられてきたら、賞品が到着した日から14日
間そのままにしておけば、その後は、送りつけられた商品を自由に使用しても何も問題が
ないことになります。
こうしたことを覚えておけば、一方的に商品が送られてきたときにも慌てることはあり
ません。
弁護士 佐 藤 克 昭

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