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佐藤弁護士のなるほど講座

  

法律相談を受けるにあたっての予備知識

 明けましておめでとうございます。  今年も、一つ一つのご相談、ご依頼を大切にして、皆様の権利を守り、生活を守ること のできるよう努力していきたいと存じます。    今回は、法律相談を受けるに当たっての予備知識です。  法律相談には、行政が行う「区役所などの無料法律相談」等の無料法律相談、弁護士会 が設けている弁護士会館内において行われる「有料相談」、各法律事務所において行われ ている「法律相談」などがあります。   区役所などの無料法律相談等は、多くの場合、その相談時間はおおむね「20分」が目 処とされています。  従って、そうした法律相談を有効に利用しようとする際には、具体的に相談しようとす る内容を予め整理して、具体的経過などが短時間に説明できるようにメモを作成し、それ に関連する書類などをできるだけ持参して行くことが大切です。  法律判断に当たっては、具体的な経過を把握するとともに、それを裏付ける書類等を検 討することが不可欠だからです。とりわけ契約に関わる相談では、それにまつわる契約書 や覚え書き、その後の書類のやりとりなどを検討しないと相談の回答が困難なことが多い と思います。  また、相談を受ける側からしますと、20分という時間制限があることも含め、どうし ても、区役所の法律相談などでは、一般的な法的な整理とそれに関する見解などを示すこ とが精一杯ということが多いように感じます。  すでに具体的な紛争やトラブルになっており、早急に対応を依頼しようと考えておられ る場合には、弁護士会の有料相談や各法律事務所の法律相談を活用されるほうが、ご希望 に添う対応が可能ではないかと思います。  弁護士会の会館内の有料相談は、時間は30分が原則となっています。  弁護士会の相談員名簿に登載された弁護士が、順番に担当することになっています。  この相談では、相談者の方のご希望により、その相談から引き続いて事件を受任し、具 体的な対応をすることが可能となっています。  従って、区役所の法律相談で説明しましたような資料を準備するとともに、自分として はこういう解決やこういう対応を希望するが、そうした対応や解決は可能か等というご自 身のご希望などもまとめておかれると、それについての見解を聞くことができます。  法律事務所での法律相談は、予め予約を取っていただくことが多いと思います。法律事 務所での法律相談の特徴は、その事務所の弁護士の経歴や評判、実績などを予め調べるこ とで、自分の相談しようとしている内容について、対応が可能かなどの情報を確認するこ とができること、弁護士の人柄等の情報が得られることにより、自分なりの相談を聞いて もらう弁護士の選択ができること等があります。  また、知り合いの方などの紹介による場合には、そうしたことを通じて、相談を受ける 弁護士に対する一応の信頼を得られるという点もあると思われます。  また、多くの場合、法律事務所での相談では、予め希望を伝えて、相談時間を長くとっ てもらうことも可能です。複雑な事案等で、時間が必要と思われる相談では、そうした希 望を伝えることで、しっかりとした時間をとって相談を受けることも可能です。  相談を受けて感じることの一つに、「もっと早くに相談に来ていただいていれば」とい うことがあります。  「こんなことで」と思われることなく、早めに、その相談の必要性に応じた法律相談を ご利用になることをおすすめします。                             弁護士 佐 藤 克 昭



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