1. >
福山弁護士の「飲み法題」


       

「最新・自由にできる選挙活動」のオススメ

 最近、「最新・自由にできる選挙活動(自由法曹団京都支部編、かもがわ出版)」とい う本が出版されました。この本は、1998年に出版された「新・自由にできる選挙活 動」の改訂版で、私も今回の改訂作業に加わりました。  「告示前は候補者の名前を言えても、告示後は言えない?」、「○○さんをよろしくと、 手紙に書けない?」、日本の選挙制度は不思議なことばかり。その理由は、選挙制度につ いて定めている公職選挙法が、世界に類を見ない「べからず法」だからです。あれもダメ、 これもダメと、公選法は市民の自由な言論を封殺してきました。  でもいつの世も、庶民はたくましいもの。中世に生まれた狂言は、権力者を皮肉る風刺 精神を持つ芸能として発展していきました。江戸時代、将軍綱吉が「生類哀れみの令」と いう稀代の悪法を作ったときには、それを批判する落首が横行しました。明治時代、自由 民権運動に対する取締りが厳しくなった際、演説の代わりに歌を歌うようになったのが 「演歌」のはじまりだとか。  公選法という悪法の下でも、庶民が権力の干渉をかわして、自由に物を言うためにはど うしたらいいか、古人の批判精神を受け継いで、その実践的なノウハウを説くのが本書で す。公選法に関する本のほとんどは、「べからず法」の文言をそのまま解説するだけの代 物ですが、この本は何ができるか、どうすればできるか、どこまでできるかに主眼をおい ています。  もともと選挙は候補者や政党のためのものではなく、主権者である国民のためのもので す。選挙を国民の手に取り戻すために、是非ともご一読をオススメします。 ※この本に関するお問い合わせは 電話(075)256−1881へ 弁護士 福 山 和 人



<トップページへ>