1. 佐藤雄一郎
佐藤弁護士の徒然ブログ

初ブログです

 今回、京都法律事務所に入所するに当たってブログなるものを書くことになりました。私が興味のある事柄を細々と書いていこうと思います(法律に限りません)。
 さて、電話やはがきなどの文書などで相手をだまし、金銭の振り込みを要求する犯罪行為の総称として「振り込め詐欺」という用語を警察庁が命名して、もう15年になります。電話口で息子を騙る人物から自身の窮状を知らされたお年寄りがATMにお金を振り込んでしまう。そんな一連のやり取りをこの用語から連想する人が多いと思います。
 社会心理学には認知的不協和理論というものがあります。簡単に述べれば、周囲の環境が自分の心情と矛盾する場合にストレスを解消するために周囲に同調する心理現象のことをいいます(あまり簡単ではないですね)。つまり、自分の意見はちゃんとあるけど、周りの人が別の意見だし、自分一人だと不安だから周りに合わせようとなる気持ちです(私も身に覚えがあります)。この理屈が振り込め詐欺に転用されます。
 振り込め詐欺の掛け子と言われる役割の人は、実に堂々と息子面をします。自分の息子はこんな声だっけなどの疑問が湧いても、何か堂々と息子を名乗るので相手に同調して、息子であると思い込んでしまうようです。そう思ってしまうと、我が子が可愛い善良な年配のご両親は、お金を払えば息子が助かると思い込み、周囲の方々に冷静に相談することもなく、お金を振り込んでしまうわけです。
 このように意外と心というやつは、周囲の環境に振り回される性質を持っているので、自分はしっかりした人間だと思っていても、案外ころっと騙されるかもしれません。自分を全く信じないのも駄目ですが、信じすぎるのも考え物です。自分のことを程々に信じて、騙されにくい快適な日常を送りましょう!
 益体のない話でしたが、また次回にお会いしましょう。
弁護士 佐藤雄一郎