1. 京都建設アスベスト訴訟を提訴しました!!!

京都建設アスベスト訴訟を提訴しました!!!

   建設アスベスト提訴集会20110603.JPG去る6月3日、京都府内で建設業に従事し、その結果、アスベスト(石綿)を含む粉じんを吸引したことにより、肺ガンや中皮腫などの重い疾病にかかった建設業従事者11名が原告となって、国とアスベスト含有建材製造メーカー44社に対して損害賠償を求める京都建設アスベスト訴訟が提訴されました。

 

 国とメーカーによって作り出された人災

  アスベスト(石綿)を含む粉じんの吸引により、肺ガン・中皮腫等の重い健康被害を引き起こすことは、2005年のいわゆる「クボタショック」以降、広く知られるようになりました。
 クボタの旧神崎工場では、従業員や出入り業者が肺ガンや中皮腫を発病し78名が死亡していたことが公表され、これを発端にニチアス㈱の166名をはじめ、建材メーカーや造船等、全国の石綿関連企業が自社従業員の多数の死者数を次々と公表し、すさまじい石綿被害の実態の一端が明らかにされました。

 アスベストが、石綿肺を引き起こすことは戦前から知られていましたし、肺ガンとの関係は1950年代半ばに、中皮腫との関係は1960年代半ばにすでに医学的な知見が確立していました。
  ところが、2005年のクボタショックを受けて、2006年に全面禁止されるまで、メーカーは、アスベストの危険性を知りながら、利潤を優先して原料として安価なアスベスト含有製品を製造・流通させ続け、国も危険性を知りながら、2006年までそれを容認してきたのです。
 このように、今日の深刻なアスベスト被害は国とメーカーによって作り出された人災です。

 

被害者は建設業従事者に集中 

 アスベストによる被害者は、アスベストの多くが建材に使用されていたことから建設業従事者に集中しています。
 アスベスト疾病の被害者は、労災保険や石綿救済法の認定を受ければ一定の補償を受けられますが、全ての被害者がその認定を受けているわけではないのが実情です。
 労災認定等を受けている方でも、決して十分な救済を受けているとは言えません。
 また、アスベストは「静かな時限爆弾」と言われるように、長期の潜伏期間を経て発病するため、今後も被害が広がり続ける可能性が高く、多くの建設業従事者が不安におののいているのが実情です。

 

京都での裁判は西日本初

 建設業従事者の中でのアスベスト被害の拡大を受けて、東京、横浜、静岡、札幌で同様の訴訟が取り組まれていますが、京都での裁判は、建設業従事者を原告とするアスベスト訴訟としては西日本で初となります。
 今後も各地で同様の建設アスベスト訴訟の提訴が予定されています。
 私たちは、そうした全国の取り組みと連帯して、国と加害メーカーの謝罪、被害者の完全救済並びに抜本的なアスベスト対策をかちとるために、全力でがんばりたいと思います。
 
 当事務所からは、佐藤克昭、福山和人、津島理恵の3名が弁護団に参加。佐藤が弁護団副団長、福山が同事務局長を務めており、当事務所が弁護団の事務局事務所となっています。

 当事務所では、アスベストによる健康被害や労災申請、訴訟等、アスベストに関する電話相談を随時受け付けております。
 心配事がありましたら、いつでもお気軽にお電話ください。

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                              2011.6.3  弁護士 福山 和人