1. 離婚にまつわるQ&A〈離婚と離婚後のはなし〉
離婚と離婚後のはなし

離婚にまつわるQ&A〈離婚と離婚後のはなし〉

協議離婚と調停離婚、どちらを選ぶ?

 夫婦で話し合い、離婚することや親権者、離婚に伴う金銭的な問題などについて合意ができれば、協議離婚することができます。

 合意ができている場合で、養育費など将来的に金銭の給付がある場合は、“約束どおり支払わなければ強制執行されても構いません”という執行認諾文言の入った公正証書を作成しておくと、不払いのときに強制執行をすることが可能になります。

 また、合意ができている場合でも、調停を申し立てて調停調書を作成してもらうこともできます。合意ができない場合は、調停を申し立てる必要があります。

 

別居後、離婚するまでの生活費をどうする?

 婚姻費用(婚姻期間中の生活費)を請求することが考えられます。

 夫婦間で話がまとまらない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担請求の調停を申し立てます。調停で話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所が審判により婚姻費用の毎月の金額、支払い方法、支払い期限について定めることができます。

 なお、婚姻費用が不払いになった場合、調停での合意内容が記載された調停調書や審判をもとに強制執行を行うことが可能です。

 

自宅マンションのローンがある…

 たとえば夫名義で住宅ローンが組まれている場合、債権者との関係では、返済義務を負っているのは債務者である夫です。ただ、夫婦が共同生活を営むために生じた債務ですので、夫婦共同の債務として財産分与の際に考慮されます。

 マンションを売却して残債務を返済し、余剰があれば財産分与の対象財産として夫婦で分けるという方法も考えられます。また、夫がマンションを手離さずにローンの返済を続けたいということならば、マンションの価値分(時価から残債務を控除した金額)の一部を妻が金銭で受領することもあり得ます。

 妻がマンションに居住をしたいのであれば、夫との間で 賃貸借契約を締結して居住することもあり得ます。

 

裁判で離婚が認められるのはどんな場合?

 相手方が離婚に同意していなくても裁判所が離婚を認めるわけですから、離婚を正当化できるだけの理由が必要です。

①不貞行為

②悪意の遺棄

・相手方を捨てて家出したり、相手方を追い出したりする場合です。

③3年以上の生死不明

④回復の見込みのない強度の精神病

⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由

・DV(配偶者からの暴力)

・犯罪行為

・浪費や勤労意欲の欠如など家庭をかえりみない

・人生観や生活感覚の不一致

 なお、以上に加えて、長期の別居があれば離婚が認められやすい傾向にあります。

 

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは

 DVとは、親密な関係において、配偶者の一方が他方に対してふるう暴力のことです。

 たとえば、物を目の前に投げつける、友人との交流を制限する、暴言をはく、という行為もDVに該当する場合があります。被害を受けた場合は、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談することができ、緊急の場合は一時的に保護してもらうこともできます。