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2014年6月アーカイブ

勝手に給料を下げられた

 仕事上のミスを上司に報告したところ、「翌月から減給」と言われ、弁解も聞いてもらえないままに給料が引き下げられたというケースがありました。

 会社の言い分は懲戒処分としての減給だということです。


 しかし、よくよく事情を確認すると、ミスといっても日常的に起こるごく些細なもの。その日のうちにフォローできており会社に特に損害は生じていませんでした。

 労働者の同意がないのに、会社が理由なく一方的に給料を引き下げることはできません。

 懲戒処分としての減給が許されるためには、就業規則に懲戒処分の定めがあり、その上で懲戒処分をすることについて客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められなければなりません。

 そうでない懲戒処分は、懲戒権の濫用であり違法・無効です(労働契約法15条)。


 上記のケースでは、ミスがあったにしても、ごく些細なもので、しかも会社に損害が生じていませんので、減給という懲戒処分をするに値する客観的に合理的な理由があるとはいえません。

 また、減給は労働者の生活に直結する重大な処分ですから慎重になされる必要がありますが、上記のケースでは、ミスがごく些細なものなのに減給されていますので明らかに重すぎます。

 しかも、労働者に弁明の機会も与えられていないという手続面での問題もあります。

 したがって、社会通念上相当な処分とはいえません。


 上記のケースで労働審判を申し立てたところ、会社側から解決金が支払われて解決しました。


            弁護士 津島 理恵


 

ひとこと

略歴

香川県立丸亀高等学校卒業
一橋大学社会学部卒業

香川県職員(4年間)
立命館大学法科大学院卒業

2008年
司法試験合格(新62期)

2009年
弁護士登録
京都法律事務所入所
京都弁護士会委員会所属
両性の平等委員会
憲法委員会
23条照会委員会

離婚・労働・自己破産・民事再生・任意整理
相続・遺言・一般民事・刑事など

関西アスベスト京都訴訟
ジャトコ偽装請負解雇・雇止め事件

 香川県の出身です。 実家の近所には、ため池があり、田畑が広がっています。
大学4年間を東京で過ごし、卒業後に地元の公務員になりました。
その後、法科大学院に入学する際に京都に引っ越してきました。
私は、労働条件や社会保障など生活していく上で必要な法的知識をあまり身に付けることなく社会に出ました。
幸い職場の庶務担当の人や周りの人がいろいろと教えてくださったので、支障はありませんでした。
しかし、生活に必要な法的知識を身に付けてから社会に出なければ困るのではないか、実際に困っている人がたくさんいるのではないか、と思うようになりました。
このことがきっかけで、私は「法教育」に関心を抱き、弁護士になることにしました。
今後、さらに経験を積んだ上で、何らかの形で「法教育」に関わりたいと考えています。
法律相談に来られた方が安心してご相談いただけるよう、分かりやすい言葉で丁寧に応対させていただくことを心がけています。