政府や電力会社は、原発を何とかして再稼働させたいと考えているようです。
民主党の幹部の一人は、原発を再稼働させなければ、集団自殺するようなものだ、と述べたと伝えられています。
しかし、このような再稼働ありきの姿勢には多くの批判が寄せられています。
そして、この批判の背景には、これまでの政府や電力会社の姿勢に対する正当な疑念があるように思われます。
福島第一原発の事故は、その原因が津波によるものか地震動によるものか、究明されていません。
しかも、事故現場は現在も放射性セシウムを放出し続けているなど多くの問題を抱えていることは、以前に比べて報道が少なくなりましたが、時折伝えられる情報からも窺えます。
他の原発の安全性は、コンピューターでストレステストをしたので大丈夫だ、ということになっていますが、テストの前提条件は本当に正当なものなのでしょか。
従来の安全性の枠組みのテストでは、安全神話と同じ結果を招くことにならないでしょうか。
電力需給に関する情報も、新聞などに詳しく掲載されていないように思われます。
福島の事故の深刻さ、広がりの大きさ、回復するために要する時間の長さ、生活と仕事と生きる場所そのものを奪われた方々を思うと、再稼働ありきという姿勢には賛成できません。
むしろ、原発については、脱原発を明確にした政策転換が必要なのではないでしょうか。
2012年4月24日 弁護士 高山利夫