1. »
  2. »
  3. » 2014年7月

2014年7月アーカイブ

憲法ミニコラム。

民医連の「共済だより」では「シリーズ『いま、なぜ憲法改悪なのか』パートⅡ」という連載があります。もともと「シリーズ『いま、なぜ憲法改悪なのか』」を半年間掲載させていただいていたところ、「ホットな話題だからもう半年続けようよ」と言っていただき、パートⅡと題して、1年もののシリーズになりました。

 

執筆しているのは「明日の自由を守る若手弁護士の会」(通称あすわか)の弁護士。

 

5月号に続いて7月号を執筆させていただきました。

 

脅威の「解釈改憲」

 

1 2014.07.01クーデター

  安倍政権は2014年7月1日、憲法9条の下でも限定的に集団的自衛権を行使できるという閣議決定を行いました。「海外での戦争を許さない」という戦後日本が誇りにしてきた平和憲法に真っ向から対抗する、戦後かつてない強行決定は、安倍政権によるクーデターともいえるでしょう。閣議決定をうけて明日の自由を守る若手弁護士の会では、「解釈改憲?ハァ!?なにその反則技。私たちは立憲主義も民主主義も手放すつもりはありませんよ声明」を出しました。閣議決定の内容もさることながら、今回は憲法の寄って立つ基本原理、立憲主義について考えたいと思います。

 

2 立憲主義とはこういうものです!

(1)「憲法は、国家権力に縛りをかけ、国家権力の濫用を防止することによって、国民の自由と権利を保障するために存在する」―これが立憲主義の考え方です。立憲主義の考え方によると、憲法は「わがままな権力者を縛る法」なのです。 

  

(2)歴史的には...

   立憲主義のはじまりは17世紀のイギリスです。イギリスでは、名誉革命を経て、王権神授節に対抗する法の支配の概念は不文の慣行として定着し始めました、しかし、イギリスにおける立憲主義は貴族院と庶民院で限定的に構成された国会を開催し、国会の決定によって君主の権力を制限するという点に主眼が置かれていたため、国民の権利を保障するところまでは至りませんでした。

   その後フランスで起こったフランス革命の最中、フランス人権宣言採択されます。このフランス人権宣言の16条は大変有名で皆さんお馴染みの権利の保障が確保されず権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない」。"憲法は基本的人権を保障し、そのための統治機構である権力分立を定めた法だ"という意味ですね。

 

(3)まとめると...

   立憲主義は絶対王政に対抗して、君主の権力を制限し、ひいてはその先にある国民の人権を保障するという考え方です。

 

3 恐るべき安倍首相の発言

 2014年2月5日、安倍首相は集団的自衛権の行使容認について、「政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能だ。憲法改正が必要だという指摘は当たらない。」と発言し、2014年2月20日には「行政府における憲法解釈は、法制局長官が決めることではなく、内閣が責任をもって決める。その最終的責任は私がおっている。」と発言していました。

 

 この発言のどこがおかしいかは、このコラムを読んでくださった皆さんであれば、すぐにお分かりになると思います。

 

ちなみに、自民党の改憲草案では、97条「基本的人権の尊重」が削除されています。解釈改憲しかり、改憲草案しかり...一体、立憲主義はどうなったのでしょうか。

立憲主義の概念が培われてきた歴史的背景を私たちは忘れてはいけません!

 

 

略歴

京都市長岡京市出身
京都府立西乙訓高校卒業
北九州市立大学法学部(夜間主)に入学後、昼間は洋菓子店に勤務
2年で北九州市立大学を退学し、神戸大学法学部に編入学、同大学を卒業
同志社大学法科大学院卒業

2012年 
  司法試験合格(66期)
2013年
  弁護士登録 京都法律事務所入所

労働事件(解雇、未払賃金請求等)
離婚、男女の問題
その他家事事件(遺言、相続、後見)
一般民事(賃貸借、交通事故、債務整理等)
刑事事件
少年事件
高齢者、障害者に関する問題

 初志貫徹、中学生のときから卒業アルバムの「将来の夢」は弁護士でした。いつも初心を忘れず、常に新たな目標をもって向上していきたいと思います。

 大学生の時には洋菓子店に加えて様々なアルバイトをしていました。タイムカードは開店5分前と閉店5分以内に切り、営業時間=勤務時間という会社で働いてみたり、職場のパワハラに悩んで12月31日に帰宅し、初夢は上司に怒られる夢だったり...大した苦労ではありませんが、皆様にとって少しでも身近な弁護士だと感じていただけたら幸いです。
 真面目な人ほど仕事の責任を感じ、現状に耐えて無我夢中で働いてしまうことや現状に悩んで将来が見えなくなるとを、身をもって経験しましたが、社会にはこれどころではないもっとたくさんの違法があふれています。
 相談に来られた方と悩みを共有しながら、現状の改善だけでなくこれから先のことも一緒に考えていけるような弁護士でありたいと思っております。