1. これでは弁護ができない・・・(秘密保護法) 
岡根弁護士のぼやき論壇
特定秘密保護法が国会で議論されている。 「秘密が守られるんだからいいんじゃない。」なんて思っていたら大間違い。 誰から何を守るのか、というと、国民から国家の情報を知られないこと、要するに、国などの情報を(主権者である)国民から秘密にしてしまおうという内容だ(米国にはその情報は流すんですけどね)。
そもそも、今こんな法律は必要がない。 廃案しかないのだけれど、万が一通ってしまったらどういうことになるのだろうか。刑事弁護との関係で考えてみる。 
まず、何が秘密かが明らかにならない(「何が秘密か?それが秘密です」)という状況において、取材したり報道した内容が、秘密に該当してしまっていたら、場合によっては、犯罪となって10年以下の懲役になってしまう(これだけで萎縮してしまい、まともな報道はできなくなろう。権力監視が不可能になる)。
その裁判の中でも、何が秘密なのかは、(本人はもとより)弁護人にも一切明らかにはされない。
検察官は、秘密の内容が書かれていない起訴状を読み上げる。 そこで、弁護人から「秘密」の内容を問いただそうとしても 「特定秘密に指定されている以上、明らかはにできない」 となってしまう。
裁判所も、秘密については、指定されているかどうか以上には突っ込めないまま、「秘密であると推認できる」として有罪としてしまうことになる。
これでは、刑事弁護として何もできないことになってしまう。
刑事訴訟の大原則である「疑わしきは被告人の利益に」(いまでも機能してないが・・・)は全く殺されたも同然となる。
こんな恐ろしい法律を制定させてはならない。

弁護士紹介TOP