1. それでもぼくは・・・
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それでもぼくは・・・

27日の日曜日、立命館大学朱雀キャンパスにおいて、周防監督と桜井さんを招いて、裁判員裁判を考える京都の会のシンポジウムが開かれた。

周防監督は、シャルウイダンスやしこ踏んじゃった等を作成した映画監督。 「それでもボクはやってない」だけは映画館まで見に行った。 
取材が緻密で、抑え気味に表現されているところなど、見ていて身につまされる思いがしたことを思いだした。 本来あるべき裁判官像が前半に出てきて、途中から雰囲気が変わり、現実にいるような裁判官が最後を締め、客観的証拠を軽視した「有罪」判決を下す。 この10数年間に見てきたような場面が流れていく。 溜息が出てしまう・・・
桜井さんは、布川事件で、無期懲役とされながら、 半世紀近くかかって無罪を勝ち取った元受刑者である。 無実の罪を着せられ、29年間の獄中生活を強いられ、無罪が確定するまでは、いつ刑務所に戻されるか分からない「仮釈」の地位を押しつけられてきた。 
えん罪は誰にでも起こりうる。 誰もが巧妙に自白に追い詰められてしまう。 一旦自白がなされると、裁判官は客観証拠よりも「自白」を重視して、「無罪推定原則」を思い込みだけでかなぐり捨てる。
それを正すには、布川事件でさえ40年以上もの歳月を要した。 こんな過ちを犯しているのに、検察も裁判所も、謝罪もしない。 
刑事裁判に市民が関与することにより、この「有罪推定」ともいえる刑事司法を改善できるのか、3年後見直しにとどまらず、今後の改善に粘り強く取り組んでいく必要がある。 
裁判員裁判が始まり3年、いろんな欠陥もあるある意味危うさの残る制度ではあるが、これまでの職業裁判官のみによる刑事裁判よりは少しはよくなる兆しが見られるようには思う。 異論はあるとは思うけど・・・

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