1. 「広義の失業率」は、8.4%
女性弁護士の法律コラム

「広義の失業率」は、8.4%

 
(女性弁護士の法律コラム NO.230)
 
「完全失業率」という言葉を聞いたことがあると思います。
ちなみに、1~3月期の完全失業率は、3.2%です。
 
完全失業率とは、「完全失業者数」を「労働力人口×100」で割ったもので、総務省統計局が発表する雇用情勢を示す代表的な指標です。
簡単に言うと、働きたい人(労働力人口)のうち職がなくて働いていない人の割合を示すものです。
「完全失業者数」というのは、
①調査期間中(月末1週間)に就業していなかった
②就業する意欲がある
③調査期間中に就職活動や開業の準備をしていた
という3つの条件を満たしたものと言います。
よって、月末1週間に少しでも仕事をした人などは、それ以外の期間、仕事に就いていなくても完全失業者に含まれません。
また、仕事が見つからないため求職活動を断念した人や、育児や介護のため仕事に就けない人も除かれています。
従って、実際の失業者率は、もっと高い数値になることは明らかです。
 
ところで、先頃、内閣府は、不本意に非正規になっている労働者や求職活動を断念した人を含めた「広義の失業率」を試算した結果を発表しました。
それによると、1~3月期、8.4%にのぼることがわかり、わが国の雇用の実態は、はるかに深刻であることがわかりました。
この試算では、完全失業者に加え、過去1年間に求職活動をしたことがあるものの、適当な仕事がなかったり、出産、育児、介護などのたmねに仕事を続けられそうになかったりして、求職活動をやめた人も失業者に含めています。
さらに、正社員になれず、やむなく非正規の職に就いた労働者も加えて、「広義の失業率」を算出しています。
 
アメリカの失業統計では、「広義の失業率」が発表されています。
わが国も、雇用の実態を十分把握できるような統計を取るべきです。
 
 

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