1. マタハラ事業者名、初公表(厚生労働省)
女性弁護士の法律コラム

マタハラ事業者名、初公表(厚生労働省)

 
(女性弁護士の法律コラム NO.208)
 
昨年10月に、最高裁が「妊娠による降格は男女雇用均等法が原則禁止しており、本人の同意がなければ違法」と初めて判断したことをうけて、厚生労働省は、今年3月末、育児休業の終了などから原則1年以内に女性が不利益な取り扱いを受けた場合には、直ちに違法と判断することを決めました。
 
そして、9月4日、厚生労働省は、妊娠を理由とした解雇をやめるよう求めた勧告に従わなかったとして、男女雇用機会均等法に基づき、看護助手の女性を解雇した茨城県内の病院名を公表しました(2015年9月5日付け京都新聞朝刊)。
マタニティーハラスメントで企業名を公表をするのは、初めてです。
 
勧告に従わなかった病院は、茨城県牛久市の「牛久皮膚科病院」です。
 
看護助手の20代女性が、院長に妊娠を報告したところ、約2週間後に「妊婦はいらない。明日から来なくていい」と突然解雇を告げられたそうです。
 
この病院は、労働局から口頭や文書で指導されても、解雇を撤回せず、厚生労働大臣が初の勧告を行いましたが、「均等法を守るつもりはない」などと答えたため、企業名公表に踏み切ったとのことです。
 
マタハラがこれほど社会問題化しているにもかかわらず、まだまだ職場の中ではマタハラが横行していることを痛感しました。
企業名公表が、マタハラは違法であることの認識を広めることやマタハラ抑止に働くことを期待します。
 
被害にあった場合には、 泣き寝入りせず、声をあげていくことが大切ですね。
 

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