1. 住宅の将来の危険にも賠償責任を認める(最高裁)
女性弁護士の法律コラム

 
最近、借家の敷引きや更新料をめぐって、最高裁の不当判決が続いていましたが、7月21日、欠陥住宅に関し、久しぶりに評価できる判決が出ました。
事案は、オーナーとして購入した9階建てマンションの床や壁にひび割れなどの欠陥があったとして、施工業者らに計3憶5000万円の損賠賠償を求めたというものです。
 
2007年に最高裁は、「建物の設計・施工者等は、建物に基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負う」という初判断を示しました。
 
今回の最高裁判決は、その「基本的な安全性が欠ける」瑕疵(=欠陥)とは、「居住者等の生命・身体又は財産を危険にさらすような瑕疵をいい、その瑕疵が、現実的な危険をもたらしている場合に限らず、これを放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる場合にも該当する」との判示し、将来の危険にも賠償義務があるという被害者保護の判断を下しました。
 
 

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