1. NHKテレビ「逆転の人生」~全盲の弁護士・竹下義樹さん~
ブログ マチベンの日々

 
今朝、古くからの友人から、突然、「NHKの、逆転人生に、いづみさん出てましたね!」というメールをもらった。
いやいや、出演してたわけではないです。
法律事務所の看板(ネームプレート)が映し出され、そこに私の名前もあったというだけ。
私もビックリでした。
 
昨夜午後10時からNHKテレビで放映された「逆転人生」は、京都で活動する全盲の竹下義樹弁護士の人生だった。
竹下さんは、私が司法試験に合格した当時、京都大学の中にあった同じ(私的な)勉強会に所属し、私が合格して2年後に竹下さんも司法試験に合格した。
司法修習生となった竹下さんは、京都修習となり、弁護修習は、当時、私が働いていた京都法律事務所に配属された。
そして、竹下さんは、1984年4月に弁護士となって京都法律事務所に入所し、1994年に彼が独立するまでの約10年間、私と竹下さんは同じ法律事務所で弁護士活動を行った。
昨夜のテレビには、竹下さんが事務所に入った頃の所員のネームプレートが画面に映し出され、私も自分の名前が出てビックリだった。
 
同じ京都で弁護士をしていても、竹下さんとは、もうずいぶん長い間、顔を合わせたり、ゆっくり話をしたことはない。
テレビに登場していた竹下さんは、若い頃よりは少し声は小さくなった(?)ものの、ユーモアとバイタリティーあふれる姿は、一緒に仕事をしていた頃と変わっていない。
 
テレビでは、柳園さんの国家賠償請求訴訟が取り上げられていたが、私には竹下さんと一緒に取り組んだ思い出の事件がある。
 
竹下さんが弁護士となった翌年の1985年に京都地裁に提訴したその事件は、自ら聴覚障害を抱えながら、昭和28年9月から京都府立聾学校の教師となった西田先生が、その障害のために、長年「助手」という地位に据え置かれ、教諭に採用されなかったという、被告京都府による聴覚障害者差別を問うものであった。
 
竹下さんは、新人弁護士ながら、弁護団会議での議論をリードし、また法廷では、あの大きな声で、裁判所や被告側を圧倒した。
 
元教え子、元同僚そして学者など、多くの支援を得て、1990年7月18日に京都地裁が下した判決は、西田先生の全面勝訴であり、京都府は控訴することなく、判決は確定した。
 
私にとっても竹下さんにとっても、初めて取り組んだ障害者差別事件だったと思う。
私の弁護士人生において心に残る貴重な事件の1つを、竹下さんと一緒に取り組めて本当に良かったと思う。
 
 

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