1. 「日本史の内幕」(磯田道史 著)を読んで
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「日本史の内幕」(磯田道史 著)を読んで

 
日本の歴史物に興味があるか?と問われたら、「とても好き」というわけではない。
NHKの大河ドラマも、子どもの頃はよく観ていたが、今は全く観ない。
でも、過去の時代の人々の暮らしや文化が今の時代にどのようにつながっているのかなどにはとても興味がある。
 
磯田道史先生の「日本史の内幕」(中公新書)を読んだ。
磯田先生は、最近、テレビによく登場する歴史学者で、映画化された「武士の家計簿」の元になった著作を書いた人である。また、私はまだ観ていないが、フィギュアスケート選手の羽生クンが殿様役で出演した映画「殿、利息でござる!」の元になった「無私の日本人」を書いたのも磯田先生だ。
 
本書の「まえがき」では、「この本は、古文書という入り口から、公式の日本史の楽屋に入り、その内幕をみることで、真の歴史像に迫ろうとする本である」という書き出しから始まり、「歴史教科書は、政府や学者さんの願望にすぎない。・・・彼らが信じていて欲しい歴史像が書いてあるだけである」となかなか大胆な記述が続き、「コピペとフィクションの歴史叙述が巷にあふれている」と苦言を呈する。本書は、「これと一線を画し、古文書を通して、日本史を現場から内側からみる内幕に案内したい」と結ばれている。
 
もう、この「まえがき」を読むだけで興味がそそられる。
 
本文は、7章から構成されているが、各章の中の1つ1つの「話」はおおよそ3~4ページで完結されており、研究のためではなく、「読み物」として読んでいる者にとっては、短くて読みやすい。
 
明治天皇の皇后が京都から「新首都」東京への移住はどのようになされたか
豊臣秀吉と本願寺との関係
若き徳川家康はどんな顔だったのか
家康は正室築山殿と離婚したか
秀吉は秀頼の実の父親か
江戸時代に「毒味役」の武士は本当にいたのか
 
などなど、古文書からの日本史の謎解きが展開される。
 
ところで、本書を読んで初めて知ったことだが、磯田先生は、現在、京都市西京区にある国際日本文化研究センターの准教授をされており、京都に住んでおられるようだ。
寺町二条の書店にも立ち寄ると書かれてあったので、偶然、どこかで姿を見かけるかもしれないなあ・・・
 
 
 

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