1. 河野千鶴子さん(66歳)の遭難死に思う
ブログ マチベンの日々

河野千鶴子さん(66歳)の遭難死に思う

 
 
2013年5月23日、80歳の三浦雄一郎さんが最高齢でのエベレスト登頂を達成したということで、日本中が歓喜に沸いた。
それと時を同じくして、東京在住の河野千鶴子さん(66歳)がヒマラヤのダウラギリ(8167M)で遭難したというニュースが流れた。
当初のニュースは雪崩にあったという報道だったが、実は、7700M地点での疲労凍死だったと言われているが、真相が不明だ。
三浦さんは、エキスパートのガイドやシェルパを伴って莫大な金を費やしての登頂だったが、河野さんの登頂は、シェルパ2人を伴った単独行きであった。
 
河野さんのことは、三浦さんのエベレスト最高齢登頂成功の陰に隠れて、あまり報道されていなかったが、昨夜のNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、その人となりの一端を知ることができた。
 
河野さんは、20代の普通の山歩きから主婦業などを経て50歳で登山を再開し、その後、またたくまに世界7大陸最高峰と8000M級の山5座を次々と制覇した登山家だった。
そして彼女が残した記録から、河野さんが「女」として苦悩し、それを解放してくれたのが「山」だったことを昨夜の「クローズアップ現代」を観て知った。
 
同年代の多くの日本人女性がそうであったように、河野さんは、長い間、働きながら家事・育児を負担し、しかし「河野さんの奥さん」「○○ちゃんのおかあさん」と没個性で扱われてきたことに、「女」としてずっと苦悩してきた。
それが50歳になって山登りを再開したことで、山には男女の線引きがないことを実感し、どんどんはまっていった。
「一歩一歩、頂上へ押し上げてくれる。私にも無限の可能性があることを教えれくれる。」
河野さんの喜びがあふれた言葉だ。
 
河野さんが山への単独行きを始めたのは、「女性には体力がないから無理」と言われたことがきっかけだった。
またしても、「女性」という線引きが現れた。
同じ山に登る者として、この言い方は、おかしいと思う。
「女性には体力がないから無理」ではなく、男でも女でも、一人ひとり、経験や年齢などによっても体力が異なるから、それに合わせて登山をすることが求められるということだ。
そこに「男」「女」の区別はないはず。
しかし河野さんは、この言葉をきっかけとして、単独行きを中心とした登山に変わって行ったようだ。
 
企業やマスコミをバックに冒険家として名をはせる三浦さん。
他方、一人で自分の可能性に挑戦し、それが喜びだった河野さん。
河野さんの人生は、決して華々しいものではなかったが、山でその無限の可能性を開花させて最高に輝いていたんだなと思った。
 
 
 
 

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