1. 2019年5月

2019年5月アーカイブ

樹木希林さんのことば

 
これまで、亡くなってからこれほど本が売れている芸能人はいないのではないだろうか。
書店に行くと、樹木希林さん関連の本のコーナーがあったり、平積みされていたりする。
「一切なりゆき~樹木希林のことば~」(文春新書)は、2018年12月20日の発売から3ヶ月で100万部を超えるベストセラーとなった。
 
先日、私も「一切なりゆき」と2019年3月16日に発売された「いつも心に樹木希林」を購入した。
 
悠木千帆という芸名で「七人の孫」に出演していた頃から知っていたが、私が、彼女の言葉や生き方そして役者としての演技に興味を覚えるようになったのは、自分が全身ガンだと公表してからだったと思う。
晩年に彼女が出演した映画は、ほとんど観た。
 
「求めすぎない。欲なんてきりなくあるんですから」
「モノを持たない、買わないという生活は、いいですよ」
「人生なんて自分の思い描いた通りにならなくて当たり前」
などなど、その言葉どおりの徹底した生き方は、まさに理想である。
 
今回、あらためて2冊の本を読んで、最も印象に残ったのは、彼女が人や自分を「俯瞰(ふかん)」で見るようにしていたということ。
俯瞰というのは、高い所から見ることで、イメージとしては、空から町を眺めるようなこと(かな?)。
客観視と似ている(?)。
樹木さんは、例えば、年を取ることに対して、「おっ、今度はここが動かなくなってきたか」「あぁ、なるほど、耳が遠くなってきたな」とか、・・・そういうものを俯瞰で見て「自分の変化を楽しんだほうが得ですよ」と言う。
 
人間、なかなか自分を「俯瞰」するなんてできないけどね。
自分を「俯瞰」しながら、それを楽しんで生きられれば、最高。
 
この2冊の本は、アッという間に読んでしまったけど、「いつも心に樹木希林」の方が面白かった。
なぜかと言うと、「一切なりゆき」は樹木さんの言葉のエッセンスだけが抜粋してあるのに対し、「いつも心に樹木希林」は対談や彼女が書いたエッセイなどが収録されており、どのような流れでその言葉を発したかがよくわかるからである。
 
「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」
私がこんなふうに悟ることができるのは、いつになることやら・・・・
 
 
 

NO!職場でパンプス強制  「#KuToo」

 
もともとお洒落というものに興味がある方ではなかったが、年齢を重ねるつれ、一層興味は薄れていき、今はほとんど興味がない。
服装は、夏は涼しく、冬は暖かく、できるかぎり着やすいものを選び、アクセサリーも最小限しか身につけない。
靴は、ペダラを愛好し、夏はペダラのサンダルを、それ以外の季節はウォーキングシューズを履いている。
よほどフォーマルな席でない限り、パンプスを履かなくなって久しい。
 
「職場でのパンプスやハイヒールの強制をなくそうと、署名活動が広がっている」(2019年5月23日付け京都新聞夕刊)。
キャンペーンは、性暴力を告発する動き「#MeToo」と、「靴・苦痛」を掛け合わせ「#KuToo」とネーミングされた。
強制までする職場があることは全く知らなかったので驚いたが、よくよく考えると、女性の制服がある職場では靴も定められたパンプスやハイヒールがあるはずと思い至った。
 
新聞には、葬儀場でのアルバイトで「ヒール5~7センチ、ストラップなしの黒色パンプスを履くよう指定された」と書かれてあった。
 
確かに、例えば、ドクターXの大門未知子がピンヒールで病院内を闊歩する姿はカッコいい。
でも、実際は、短時間ならともかく、ヒールの高さが高くなればなるほど、長時間履き続けると、足は疲れ、歩いていられなくなる。
 
署名は、性差によるパンプス強制を禁止する通達を出すよう、厚生労働省に求める内容である。
5月21日現在、1万8000人超が署名した。
イギリスでは、政府が職場の服装規定について通達を出したほか、カナダの一部やフィリピンでは職場でのハイヒールの強制を禁ずる動きがあるとのこと。
 
足が痛くて仕事への意欲がそがれたら、それは本末転倒である。
職場で働きやすい服装を「足元」から考え直す時期に来ている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

働く高齢者の労災が増えている

 
(女性弁護士の法律コラム NO.247)
 
政府は、70歳までの雇用確保を努力義務として企業に課す方針を打ち出しましたが、他方、厚生労働省が2019年5月17日発表した18年の労災事故のうち、60歳以上は全体の26.1%に達しました(10年前は18.0%)。
65歳までの定年延長や全国的な人手不足を背景に、働く高齢者が増えていることが原因として考えられます。
(2019年5月18日朝日新聞朝刊)。
 
先日も、飲食業で働く友人が職場で滑って転倒し身体を強打したと言っていました。
幸いケガはなかったとのことで安心しましたが、私自身の転倒事故や、その後リハビリを受ける中で出会った人達の話を聞くにつれ、日常生活の至る所に危険はひそんでおり、過信は禁物、他人事ではないと思っています。
 
企業には、高齢者でも安心して働くことができる職場環境を作ることが求められています。
 
なお、高齢者であろうと、非正規雇用であろうと、仕事でケガをしたり病気になった時には、労災保険が適用となります。
使用者から「うちは労災保険に加入していない」と言われても、労災保険は強制適用ですから、申請しましょう。
 

コンビニと食品ロス

 
私の依頼者の中に、生活保護を受給している80代の高齢男性がいる。
「いつも何を食べているんですか?」と尋ねると、「朝はパン。昼は食べず、夜は、フレスコの弁当が午後9時になると半額になるので、それを買って食べています」という返事が返ってきた。
彼にとって弁当代が半額になるのは、生活費をきりつめる上で大きなことなのだ。
 
2019年5月19日付け朝刊各紙は「コンビニ、食品ロス減へ」などと大きな見出しの記事を掲載した。
セブンイレブンは、弁当など消費期限の近づいた食品の購入者に5%分のポイントを提供する還元策を始めると発表した。
(なんだ、値引きではなく、ポイント還元かよ)
ローソンも同様の還元策を実施するらしい。
それを読んで、依頼者との上記会話を思い出した。
新聞は、「実質的な値引きで売れ残りを抑え、食べられる状態で破棄される『食品ロス』を減らす狙い」(同日付け京都新聞)と報じているが、ポイント5%還元というのは、わずか0.5%の割引にすぎず、これによってどれほどの効果があるか疑問である。
コンビニのオーナーで作る「コンビニ加盟店ユニオン」は、同月20日の記者会見で、「コンビニ会計を念頭に置いている限り、本部は本気で食品ロスの削減に取り組まないことを示したものと言うことができます」と述べている。
 
日本では、一方で大量の食品ロスが発生する一方、他方では日々の食事さえまともに摂れない人もいる。
この2つは、場面も対策も異なるものであることは明らかだが、食べられない人がいるのに、大量の食品が廃棄されることに矛盾を感じるのは当然だと思う。
 
コンビニ各社に対しては、大胆な値引き販売を要望するとともに、自分自身は、一消費者として、食品の使い切りに務めようと思う。
 
 
 
 
 
 

書展へ

 
5月11日(土曜)、滋賀県に住む友人も出品している書展が大津市歴史博物館で開かれていたので出かけた。
前回伺ったのは2015年だったので、4年ぶりだ。
書道の「先生」クラスの方々の作品なので、どれも素晴らしい。
 
昔は「書」などには全く興味がなかったが、この友人に誘われて「書」を見たことがきっかけで、「書」が芸術であることを知り、また、その技や奥深さに惹かれた。
篆書(てんしょ)やトンパ文字など、日常生活では見られない書体もあって、面白い。
 
友人の作品2点。
 
墨をにじませるのも技法の1つのようだ。
 

 
 
赤と黒の紙を使って書かれているのが、お洒落で遊び心があって、目立っていた。
この紙は、中国に行った人からの土産だそう。
 

 
結婚されて東京に住む息子さんもパートナーと二人で来ておられた。
あの小さかったKちゃんがすっかりカッコいい大人になって、なんだか私の方が照れくさかった。
 
快晴の琵琶湖の風がさわやかだった。
 

骨、くっつきました。

 
昨年11月24日、自転車でこけて左前腕を骨折したことは、このブログにも書きました。
多くの皆さんにご心配いただき、本当に有り難うございました。
 
12月3日に手術をし、それからリハビリが始まりました。
初めてリハビリというものを体験しました。
腕を固定していたシーネが取れても、左手は前後に動かしたり、ひねったりすることができませんでした。
でも、リハビリを続けていくと、不思議と少しずつ動くようになっていきました。
事故は一瞬で起こりますが、治るのには時間がかかることを痛感しました。
 
連休前の診察で、主治医から「もう骨はくっついているから、何をしてもいいよ」と言われました。
左手は、まだ完全に右手と同じように動かせるわけではありませんが、日常生活にはほとんど支障はなくなり、同じ日、リハビリも打ち切りになりました。
あとは、自分の努力だけです。
 
事故以来、自転車には乗っていません。ひたすら歩いてます。
歩く時も、慎重になりました。
でも、事故は忘れた頃にやってきます。
気を付けましょう。
 
 
 
 
 

ルバーブ

 
連休に長野県に行き、ルバーブに出会った。
 
ルバーブは、シベリア原産の野菜で、ヨーロッパでは広く栽培されている。
日本にはまだあまり定着していないようだが、最近、少し栽培する農家も増えているらしい。
見た目はフキやセロリのよう。
煮るとすぐクタクタになるので、ジャムに適しているらしい。
 

 
ルバーブという野菜があることは、料理研究家の石原洋子さんの本にジャムの作り方が書かれてあったので、以前から知ってはいたが、近所のスーパーでは見かけないので、買ったり作ったりすることなどないと思っていた。
 
でも、長野県でたまたま見つけたので、ここで買わないと、ルバーブジャムの味を知らないままになると思い、買ってみることにした。
 
ジャムの作り方は、いちごやリンゴなどと同じ。
ルバーブを1センチ位に切って、蜂蜜をかける(私はジャム作りに砂糖を使わない)。
数時間放置しておくと、水分が出てくるので、火にかけ、アクを取りながら、約15分位煮る。
あとは、煮沸消毒した空き瓶に入れて、冷蔵庫へ。
 
最初の写真のように、緑色のルバーブの方が多かったのに、出来上がりは真っ赤なジャムになった。
 

 
朝食でトーストに乗っけて食べる。
いちごやリンゴより酸味があって美味しい。
 

 
また、「出会い」があれば買ってみよう。
 
 

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