1. 2013年7月

2013年7月アーカイブ

 
(女性弁護士の法律コラム NO.140)
 
7月26日、京都弁護士会の両性の平等に関する委員会で、大阪ファミリー相談室の見学に行ってきました。
 
大阪を含め全国10カ所にあるファミリー相談室(FPIK=エフピック)は、元家庭裁判所の調査官が中心となって平成5年3月に設立された民間団体で、現在は、とりわけ、子どもの面会交流の援助機関として利用されています(有料です)。
 
両親が離婚した場合、子どもと非監護親との面会交流は、父親と母親との共同作業と言えますが、DVなどが原因で離婚したような場合、自分たちだけで面会交流を行うことが困難な場合もあります。
そのような場合に、FPIKの援助を得て、面会交流を行うことができます。
 
援助の期間は、原則1年で、その間に、両親が自分たちだけで面会交流が実現できるようになることを目指しています。
 
大阪の場合には、ビル内に3室のプレイルームがあり、そこや外部の公園などを利用して面会交流を実施します。
FPIKの援助者が付き添う場合と面会交流の始まりと終わりに子どもの受け渡しだけを行う場合とがあります。
 
担当者の方からお話をお伺いしましたが、経験豊富な元調査官の方々だけあって、離婚した親同士が子どもの面会交流をスムーズに行えるよう努力されていることを実感しました。
 
京都の人でも気軽に利用できると良いのですが、大阪まで行かなければならないという難点があります。
京都でも面会交流に適当な部屋があれば、大阪から援助者が来てもらえるという話もあり、是非、京都にもそのような場所ができればと思いました。

親の家を片づけること~遺品の整理~

 
 
母が亡くなって10年余りになる。
以来、実家は空き家のままにしていたが、実家売却の話が昨年暮れ頃に急に持ち上がった。
現在、不動産の値は「底」と言われており、実際調べてみると、不動産価格は、驚くほど安かった。
でも今後、値が上がる見通しもなく、また、庭の草取りなど管理のために帰省することにもだいぶ疲れてきたので、思い切って売却することにした。
 
大変だったのが、遺品の整理だった。
亡くなった直後に、親戚や親しい方にいくつか形見分けをしたが、あとは手つかずのままの状態。
 
最近は、遺品整理業という商売もあるので、そういう所に頼めば、簡単だ。
でも、母が最後まで大切にしていた物がすべてゴミとして処分されてしまうことに少し抵抗があった。
 
誰もいないカビ臭い実家に数回泊まり、持ち帰る物、再利用できる物、そしてゴミ、と仕分けしながら一人で片づけた。
たくさんの遺品を前に、どうしようか途方に暮れ、正直、心が折れた。
母は何でもとっておく人で、私の子どもの頃の通知票や教科書、おもちゃなどだけでなく、母自身の通知票なども残されていた。
 
再利用できそうな物は、ゴミにしたくなかったので、どうしようかと考え、思い切って、実家の近くにある地域病院の友の会にバザーにでも利用してもらえないかと連絡してみた。
すぐに引き受けるとの返事がもらえ、古い品物ばかりであったが、小物だけでなく応接セットや食卓などの家財道具まで「使わせてもらいます」と持って帰っていただいたことはすごく嬉しかった。
 
日本人形や羽子板などは、京都に持って帰り、外人の観光客用にと近所の古道具屋さんに持って行った。
 
あと、古い着物、レコード、骨董品が私の自宅に積まれている。
お金にならなくても、せめてゴミにはしたくないと思い、その引取先を探している。
 
つらかったのは、母の洋服がたくさん残っていたこと。
母は洋裁が出来たので、縫製のしっかりした洋服がたくさん残っていた。
しかし、洋服だけは、流行や体型や好みがあり、処分が難しく、これらはすべて泣く泣くゴミにした。
 
6月末で整理を終えた。
残った物は、解体業者さんのルートに任せた。
とても疲れたが、なんとなく自分一人でやれたという満足感があった。
 
私は母ほど物を持っていないが、これから自分が死ぬまでの間に、もっともっと物を整理し減らそうと思った。
 
 
 
 
 

吉田屋料理店

 
元依頼者のHさんと一緒に、吉田屋料理店へご飯を食べに行って来た。
 
吉田屋料理店は、私が前に所属していた京都法律事務所が入っているビル(御幸町ビル)の北側の路地奥にある料理屋さん。
京都法律に在籍していた頃、修習生が事務所訪問に来た時、何度か修習生を伴って行ったことがあった。
民家を改装した隠れ家的料理店で、実は、知る人ぞ知る、有名な店のようだ。
先月、京都に遊びに来た幼なじみのshocoさんたちも、友人に紹介され、ここで夕食を食べたと言っていた。
 
料理は、無国籍料理。
トマトとモッツァレラチーズのサラダ、ハモのフリッターの生春巻き、韓国風トルティージャ、鶉の肉を焼いたもの、くみあげゆば、そして締めは、看板メニューのミョウガご飯。
どれもおいしく満足した。
 
オーナーの吉田裕子(ひろこ)さんと初めて少しだけ話をした。
40代かな?
京都出身のようで、京都の地下水の話など、なかなか京都通だと思われた。
彫金もされているとのことで、デザートスプーンは自分で作成されたものだとか。
 
店で出されているメニューも紹介されている本が出版されているよう。
女子会など皆でワイワイと食べて飲んだりするのが似合う隠れ家的店である。

本当に「自民党」でいいんですか!?

 
 
参議院選挙戦ももう終盤に入っている。
そんな中、自民党は圧勝を予想してか、次々と「ホンネ」発言が飛び出し、このまま大勝したら、日本はどうなっちゃうんだろうかと、猛暑なのに、寒~い思いがする。
 
まず、安倍さん。
参議院選挙が終わるまで憲法9条改正は「封印」していると思っていたら、「首相、9条改正を明言」との見出し(7月16日付け産経新聞)。
長崎国際テレビ番組のインタビューで「われわれは、9条を改正し、その(自衛隊)存在と役割を明記していく。これがむしろ正しい姿だろう」と、9条改正の必要性を明言した。
 
そして、もっと恐ろしいのは石破さん。
7月16日付け東京新聞。
自民党は、同党の改憲草案で、憲法9条を変更して自衛隊を「国防軍」にすることを掲げ、それに伴い、「審判所」という軍法会議の設置を盛り込んでいる。
 
石破さんは、自衛隊の隊員が上官の命令に従わない場合について、こう語った。
「『これは国家の独立の為だ、出動せよ』と言われた時に、いや行くと死ぬかもしれないし、行きたくないという人がいないという保証はどこにもない。だから国防軍になったらそれに従えと、それに従わなければ、その国にある最高刑がある国なら死刑。無期懲役なら無期懲役。懲役300年なら懲役300年。そんな目に逢うなら出動しようかと。人を信じないのか、と言われるけど、やっぱり人間性の本質から目を背けちゃいけない」
 
戦争に行きたくないと言って拒否する人に対し、こうした重罰を課すために「審判所」は必要だとする。
国防軍になれば、徴兵制になるから、誰もが対象となる。
日本を戦争する国にして、海外の人の命を奪い、しかも日本国内においても、人権が守られず、恐怖政治が始まる。
マスコミは、もっと批判してほしい。
そして皆さん、こんなことを狙っている「自民党」で本当にいいんですか?
これまで日本でただ一人の自衛隊員も死んでいないのは、今の憲法9条で守られているからなんです。
憲法9条は日本の宝です。
 
 
 
 

河野千鶴子さん(66歳)の遭難死に思う

 
 
2013年5月23日、80歳の三浦雄一郎さんが最高齢でのエベレスト登頂を達成したということで、日本中が歓喜に沸いた。
それと時を同じくして、東京在住の河野千鶴子さん(66歳)がヒマラヤのダウラギリ(8167M)で遭難したというニュースが流れた。
当初のニュースは雪崩にあったという報道だったが、実は、7700M地点での疲労凍死だったと言われているが、真相が不明だ。
三浦さんは、エキスパートのガイドやシェルパを伴って莫大な金を費やしての登頂だったが、河野さんの登頂は、シェルパ2人を伴った単独行きであった。
 
河野さんのことは、三浦さんのエベレスト最高齢登頂成功の陰に隠れて、あまり報道されていなかったが、昨夜のNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、その人となりの一端を知ることができた。
 
河野さんは、20代の普通の山歩きから主婦業などを経て50歳で登山を再開し、その後、またたくまに世界7大陸最高峰と8000M級の山5座を次々と制覇した登山家だった。
そして彼女が残した記録から、河野さんが「女」として苦悩し、それを解放してくれたのが「山」だったことを昨夜の「クローズアップ現代」を観て知った。
 
同年代の多くの日本人女性がそうであったように、河野さんは、長い間、働きながら家事・育児を負担し、しかし「河野さんの奥さん」「○○ちゃんのおかあさん」と没個性で扱われてきたことに、「女」としてずっと苦悩してきた。
それが50歳になって山登りを再開したことで、山には男女の線引きがないことを実感し、どんどんはまっていった。
「一歩一歩、頂上へ押し上げてくれる。私にも無限の可能性があることを教えれくれる。」
河野さんの喜びがあふれた言葉だ。
 
河野さんが山への単独行きを始めたのは、「女性には体力がないから無理」と言われたことがきっかけだった。
またしても、「女性」という線引きが現れた。
同じ山に登る者として、この言い方は、おかしいと思う。
「女性には体力がないから無理」ではなく、男でも女でも、一人ひとり、経験や年齢などによっても体力が異なるから、それに合わせて登山をすることが求められるということだ。
そこに「男」「女」の区別はないはず。
しかし河野さんは、この言葉をきっかけとして、単独行きを中心とした登山に変わって行ったようだ。
 
企業やマスコミをバックに冒険家として名をはせる三浦さん。
他方、一人で自分の可能性に挑戦し、それが喜びだった河野さん。
河野さんの人生は、決して華々しいものではなかったが、山でその無限の可能性を開花させて最高に輝いていたんだなと思った。
 
 
 
 

ドラマ「Woman」(第1回)を観ました

 
 
昨夜午後10時から日本テレビ系列で始まった、満島ひかり主演のドラマ「Woman」。
午後10時10分頃、何の気無しにチャンネルを変えたら、このドラマをやっていて、すぐに引き込まれてしまった。
 
現在、全国で100万人を超えるシングルマザーがいるが、彼女たちの年収は平均200万円余り。
小春(満島ひかり)は、夫(小栗旬)を不慮の事故で亡くしてシングルマザーとなり、2児を抱えて必死で働いている。
金がなくなり、福祉事務所に生活保護の申請に行くが、福祉事務所が20年前に男の元に走った母(田中裕子)に勝手に連絡を取り、母が「援助する」という回答をしたため、生活保護も受けられない。
小春は母の所へ「回答を取り下げろ」と赴く・・・・
 
私にも、シングルマザーの依頼者が何人かいるが、2人の子どもを抱え、必死で働く小春の姿は現実の女性たちの姿と重なる。
小春の同僚女性の、「子どもが起きないよう睡眠薬を混ぜて眠らせて夜働く」というセリフは衝撃的だった。
また、現在、生活保護で問題となっている、「親族への問い合わせ」もリアルだ。
 
全国のシングルマザーたちを励ますようなドラマになることを期待している。
 
 
(おまけ)
・満島ひかりの演技はとても光っていたが、子役二人もすごい!
・福祉事務所の職員を演じるのは、三浦貴大。三浦友和と百恵ちゃんの次男だ。
 
 
 
 

節電の夏、値上げの夏が始まった

 
 
7月1日から、電気料金やガス料金が値上げとなり、更に、円安や原料の高騰などの影響で、パン、小麦粉、マヨネーズ、油などが軒並み値上がった。
事務所の弁護士室では、できる限り扇風機を使うようにして節電をこころがけている。
 
そんな中、節電母さんこと「アズマカナコ」さん(33歳)が今、注目されている。
あちこちの新聞や雑誌に引っ張りだこ。
 
東京多摩に、夫と子ども2人でお住まいのアズマさん。
なんと自宅には、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、掃除機などの家電製品がないと言う。
テレビはあるようだが、観たい時だけ押入から出して観るようにしていたら、あまり観なくなったという。
 
「達人」は、どんな生活をされているのか?
食品は保存のきくものを選び、それ以外は漬け物や干し物にする、洗濯はたらいで手洗い、掃除はほうきとぞうきんで。
アズマさんの日常は、そのブログに詳しく紹介されているが、まさに昭和20年代の生活でエコそのもの。
そんな生活を楽しんでされているところが素敵である。
 
「自然の力を生かし、身近なもので工夫することが何より楽しいんです」と語るアズマさん。
 
便利さにどっぷりつかってしまっている今の私には、どれもマネできそうにないことばかり。
せめて、爪のアカくらいはマネしたいと、うちわをあおぎながら、このブログを書いている。
 
 
 
 

フェルメール光の王国展へ

 
「フェルメール光の王国展」に行ってきた。
 
フェルメールは、レンブラントと並んで17世紀のオランダ美術を代表する画家である。
今回の展示会は、フェルメールの本物の作品ではないが、リ・クリエイトという最新技術によって、43歳で死亡した彼の全作品37点が350年前の色彩そのままに再現されているということだったので、大阪まで出かけた。
 
昨年、神戸で開催されたマウリッツハイス美術館展では、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」が来ていたので、ただその1枚の絵を観るためにだけ神戸へ出かけた。
 
今回の展示会の作品は、私のような素人には「これ、本物じゃないの?」と思ってしまうほど、あたかも油絵で描かれているかのごとく再現されていた。
 
光の使い方、洋服や絨毯などのそれぞれの布地の質感、ガラスコップや窓ガラスの透き通った感じなど、どれも素晴らしい作品だった。
 
※「フェルメール光の王国展」は、阪急うめだ本店9階の阪急うめだギャラリーにて、6月26日から7月15日まで開催。
 
 
 
 

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