1. 2011年2月

2011年2月アーカイブ

大阪高裁にやられた日

また,というか,高裁で気になる判決があった。↓

大阪市で3人が死亡したアパート火災で、現住建造物等放火罪に問われ、一審で無罪とされた無職尾池治被告(62)の控訴審判決が23日、大阪高裁であった。森岡安広裁判長は「被告が放火したことは優に認定できる」として、一審判決を破棄し、懲役17年(一審求刑懲役18年)を言い渡した。弁護側は上告する方針。
 一審大阪地裁は昨年2月、取り調べを録画したDVDの映像などから、同被告の捜査段階の自白は取調官に迎合したもので信用できないと判断した。
 しかし、森岡裁判長は「3人も死亡した重大な放火事件で、記憶にないことまで取調官の意向に沿うよう供述することは考え難い」と指摘。「危険極まりなく結果は重大だ」と量刑理由を述べた。 

時事通信 2月23日(水)17時18分配信

 

詳細はわからないから,断定的なことは言えないけれど,弁護人の皆さんの心情を思うと・・・私までなんか悔しい。

今日は私も,大阪高裁から保釈却下に対する抗告を却下するとの連絡が。もう,本当にしんどい。

午後いっぱい証人尋問4人だったこともあって,なんだかぐったりしちゃいました。

こういうときは風邪引きそうだし,やることたくさんあるけど早く寝よう(↓)。

                                                  機長:古川美和

 グライダーをやっていると言うと,必ず聞かれる質問が「グライダーって,高さは何メートルくらい飛べるの?」。皆さんは,何メートルくらいだと思われますか?
 現在の世界記録は,1986年に達成された「1万4938メートル」。実に成層圏にまで達しています。写真などを見ると,コックピットの外は青色というより黒,宇宙に近いんですね。

 動力のないグライダーがどうしてそんな高々度に到達できるのか?これは,いろんな種類がある上昇気流の中でも王様と言える,「山岳波」=「マウンテン・ウエーブ」に乗って上昇しているんです。風を待ってヒマラヤを越える鶴の話を聞いたことはないでしょうか。鶴も,このウエーブを使って8000m以上の高みへ昇り,山を越えて行くと言われています。
 強い風が,連なった山脈などに対して垂直に近い角度で吹き付けると,風が山肌を駆け上がり,山を乗り越えます。そうすると,乗り越えた空気が波打ち,山岳の少し風下で,空気がまた持ち上がります。この部分が,ウエーブの第一波(だいいっぱ)。この持ち上がっている部分でグライダーが風上に向かって蛇行飛行を続けると,上昇気流に乗ってグライダーはぐんぐん高度を上げるというわけです。

 風が波打つ,というとちょっと想像しにくいかもしれませんが,流れの速い,浅い小川で水面のすぐ下に石があるとき,石の上を流れている水が少し盛り上がって波打ち,その川下の水面にも波ができるのをご覧になったことはないですか?それと同じなんですね。
 第一波があれば,当然その風下にも第二波,第三波がありますが,基本的には波のうねりがどんどん不明瞭になっていくので,第一波が最もよく上がれます。
 しかし,このウエーブにコンタクトしようと思うと結構大変なんです。地上からウエーブに繋がっている「普通の」上昇気流でぐるぐる螺旋を描いて上がっていくんですが,ウエーブが出るのは風が強い日なので,風下に流されないようにうまく上がるのがまず一苦労。そして難物は「ローター」です。波の下の部分では,図のように空気がくるりと「巻く」んですよ。ここは気流がめちゃめちゃ荒れていて,右翼がガッと持ち上げられてうわっ!ひっくり返る!と焦ったら次は左翼がグワッ!グライダーは木の葉のように揺すられます。吐き気を押さえながら荒れ馬を乗りこなすように機体を操り,何とか上昇し続けると,ある瞬間,すっと静寂が訪れる。バリオメーター(昇降計)を見ると,針は5m/sでぴたりと張り付いている。高度計がぐるぐると回り出します。そう,ウエーブに入ったのです。
 ウエーブの中は,本当に,本当に静か。機体はそれこそ微動だにしません。ただ,地上だけがどんどん小さくなっていく。ときには,雲すらも遙か足下に遠ざかっていく。高く,もっと高く。

 え?私自身は何メートルまで上がったことがあるかって?残念ながら,私は4000メートルちょっとまで。でも,3000メートルを越えて30分以上飛ぶときには,航空法上酸素ボンベを搭載しないといけないんですよ。当然そんな準備をしていない私は,航空法違反。だから,内緒,内緒です。
 でも,いつかフライトを再開したら,ちゃんとボンベを積んで,高々度記録にもトライしたいな。世界記録は無理にしても。
                                               弁護士 古 川 美 和 

裁判官・疑似体験

19日の土曜日は,京都弁護士会主催の市民集会「チャレンジ!裁判員裁判」が行われた。

私は裁判員制度実施本部の広報・講師派遣部会部会長なので(長い名前),この市民集会,イロイロ開催に向けて準備を進めてきたんですね。

京都新聞や朝日新聞でも紹介していただいたおかげか,当日は裁判員を体験してみたい!という市民の皆さんが多数参加してくださいました(深謝!)。

でも,何より私自身が,裁判官役として評議を経験してみて,勉強になりました。ホント,皆さんいろんなご意見をお持ちで,切り口も様々。一つの結論を出すのはとっても難しいけど,裁判官だって毎回ココロとアタマに新風を吹き込まれるだろうな,と思います。

これまでの刑事裁判に新しい風を吹き込む裁判員裁判。もちろん,課題は多いけど,2012年の見直しに向けて,積極的に議論していきたい。

花を買う。

お恥ずかしながら,今日初めて「コトチカ」を通った。いや,阪急は利用するんだけど,最近地下鉄では四条駅を利用することがなかったので(もごもご)。それで,開店準備中のコトチカの花屋さんをのぞいてみた。

最近の街事情に詳しい?隣の席の某女性弁護士から以前聞いたところによると,四条烏丸に昨年オープンした「ラクエ」の地下にも有名なフラワーアーティストのショップが入っていて(私も,同期の弁護士開業祝いなんかで何度か利用したことがある),誰かにプレゼントする花はラクエで,自宅用にはコトチカで買う,みたいな流れがあるんだそうな。

確かに,コトチカ花屋さんには,じぶんち用にちょっと買っていったらいいだろうな,という手頃なかわいいミニブーケが並んでいました。

最近花を買うのがマイブーム。といっても,1~2週間に1回,一輪挿し用に花を1本買うだけなんだけど,色とりどりの花を前に「今日はどれにしよっかな」と悩む数分は,何というかちょっと官能的で,小確幸(しょうかっこう,小さいけれど確かなシアワセ)である。

個人的には,あまり行かないけど,JR二条駅の花屋さんも割とセンスいいなーと思っている。今日は午後から園部なので,ちょっと二条駅でのぞいて行こうっと。

保釈・ほしゃく・ホシャク

またまた久々の更新。どうも筆不精(?)で・・・。

今頭を悩ませているのは保釈。起訴されて、刑事裁判の「被告人」となった後、担保金を積んで勾留を解いてもらうのが「保釈」ですが、これがどうにも出ない。もう3回も請求してるのに、却下。

3度目が却下されたときは、怒りで呼吸が止まりそうになりました。

「刑務所にいずれ行くような人が、何で外に出てもいいのか?」と思われるかもしれませんが、保釈は権利。国際人権(自由権)規約でも、「裁判に付される者を抑留することが原則であってはならない」とされています。裁判が確定して、刑が執行されるまで、市民としての権利制約は必要最小限でないといけないのです。

でも、当たり前に、「悪いことしたやつは(裁判確定してないからまだ悪いことした、と決まってないのに)代用監獄、拘置所にいるのが当然」という空気で、それってあまりに身体を拘束されるってことの重大性に対して認識が甘すぎるぞ、裁判官!

というわけで、怒りながら抗告申立書を起案中。

前も言ったけど、司法修習生、特に裁判官志望者の勾留体験修習、ホント実現してほしい。