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福山弁護士の「飲み法題」の最近のブログ記事

 一人暮らしの高齢者が亡くなったときなどに、葬儀を行う義務を負うのは誰か?、葬儀費用や埋葬費用は誰が負担すべきか?、香典は誰が受け取れるのか?、等が問題になることがあります。

1 葬儀を行うべき義務者
 まず、葬儀を行う義務を誰が負うかについては、法律に規定はありません。単に配偶者や長男というだけで、当然に故人の葬儀を行う法的義務を負うわけではありません。従って、その地方の慣習や条理を考慮しつつ、当事者間で話し合いで決めるほかありません。

2 葬儀費用の負担者・香典の取得権者
 次に、葬儀費用を誰が負担すべきかについても、法律に規定はありません。従って、これについても単に配偶者や長男というだけで、葬儀費用を負担すべき義務を負うわけではありません。
 学説としては、①葬儀の実質的主宰者(喪主)が支払うべきもの、②相続財産から支払われるべきもの、③共同相続人がその相続分に応じて負担すべきもの、④まず香典で賄い、不足分は相続財産の中から支払い、さらに不足するときは相続人が相続分に応じて負担すべきもの等の見解があり、定まった見解はありません。ただ、近時の高裁判決(名古屋高裁平成24年3月29日判決)は、①の喪主負担説に立っています。その理由は、「亡くなった者が予め自らの葬儀に関する契約を締結するなどしておらず,かつ,亡くなった者の相続人や関係者の間で葬儀費用の負担についての合意がない場合においては,追悼儀式を行うか否か,同儀式を行うにしても,同儀式の規模をどの程度にし,どれだけの費用をかけるかについては,もっぱら同儀式の主宰者がその責任において決定し,実施するものであるから,同儀式を主宰する者が同費用を負担するのが相当というものです。確かに分不相応に過大な葬儀を行って葬儀費用が多額に嵩んだような場合は、それを執り行った者が負担するというなら肯けますが、皆が嫌がって葬儀を行う者がいない場合に仕方なく喪主として分相応の葬儀を挙げたような場合に、喪主にだけ費用を負担させるというのは、妥当性を欠くと思われます。
 ただ一般に、香典は葬儀費用に充てるために喪主に対してなされる贈与と解されているので、香典が葬儀費用を賄える程度にある場合は、①の喪主負担説をとっても不当とは言えません。また、相当な葬儀費用については、民法306条3号、309条1項により、「債務者の総財産」に対する先取特権が認められています。この「債務者の総財産」とは死者の遺産のことと解されているので、葬儀費用を上回る遺産がある場合は、そこから支払ってもらうことができます。そうした香典や遺産がない場合には、葬儀の方法や費用負担について、事前に関係者で話し合って決めておくことが望ましいといえます。

3 埋葬費用の負担者
 これについては、前述の名古屋高裁平成24年3月29日判決は、「遺骸又は遺骨の所有権は,民法897条に従って慣習上,死者の祭祀を主宰すべき者に帰属するものと解される(最高裁平成元年7月18日第三小法廷判決・家裁月報41巻10号128頁参照)ので,その管理,処分に要する費用も祭祀を主宰すべき者が負担すべきものと解するのが相当」と判示し、故人の祭祀承継者が負担すべきとの立場をとりました。
 祭祀承継者とは、祖先のまつりごとを主宰する者を言い、喪主とは限りません。これは、故人が事前に指定していた場合はその指定された人がなり、指定がない場合は地域の慣習に従って決めることになっています(民法897条1項)。慣習が明らかでないときは家庭裁判所が決めることになります(同条2項)。
 ちなみに上記の名古屋高裁の裁判例は、故人の兄弟が支出した埋葬費用を、故人の子2人に請求したという事案ですが、裁判所は故人と2人の子の親子の交流が20年以上も途絶えていた一方、埋葬費用を支出した兄弟は故人と比較的密な交流があったこと等から、子らを祭祀承継者とみることはできないと判断しました。
 これについても故人の遺志や故人との関係、地域の慣習等を考慮して、関係者間の話し合いで決することが望ましいといえます。

7月22日、京都弁護士会が安保法制反対の市民集会を開催し、550人の市民が参加されました。元自民党総裁の河野洋平氏がビデオ出演されたほか、立命館大学の小松浩教授が講演されました。民主党の前原衆院議員がメッセージを寄せられたほか、共産党の穀田衆院議員が出席されました。また、民主、共産、社民、新社会の各党から多数の地方議員、役員の皆さんが出席されました。集会後は、あいにくの雨の中、京都弁護士会の白浜会長を先頭に、250人の市民、弁護士が安保法制の廃案を求めてパレードを行いました。

京都弁護士会の副会長に就任しました!

 今年4月から1年の任期で京都弁護士会の副会長を務めています。
 弁護士会は、各種の法律相談活動を行っているほか、地方自治体などの無料法律相談への弁護士の派遣、市民の皆さんを対象にした各種の法律セミナー等の開催、地方自治体等への各種の委員等の派遣、法律事件の処理に関する裁判所や検察庁との協議、人権問題についての意見表明など、多様な活動を行っています。

 これまで弁護士として仕事はしてきましたが、弁護士会の業務については分からないことも多く、右往左往しながら悪戦苦闘する日々です。事務所を不在にすることも多いので、依頼者・相談者の皆様には、ご不便をおかけすることがあるかもしれませんが、これまで以上に合理的な業務遂行を心がけてサービス向上に努めて参りたいと思います。どうかよろしくお願い致します。

 京都弁護士会には40以上の委員会等があり、4人の副会長が分担して委員会活動をサポートしています。私が担当する委員会の一つに憲法問題委員会があります。今、国会では集団的自衛権の行使を認める安保法制が審議されていますが、京都弁護士会はこれが憲法9条に反するとして反対の立場を取っており、憲法問題委員会では街頭宣伝や署名活動、集会等の取り組みを強めています。

 弁護士にも右から左まで様々な考え方の方がいますが、この問題に関しては弁護士会としては一致して反対の立場を鮮明にしています。それは閣議決定による集団的自衛権容認が立憲主義に反するからです。憲法は法律と違って、国民が権力者を縛るルールです。憲法によって縛られている権力者が、勝手に解釈を変更してそれまで違憲とされてきた集団的自衛権を合憲とするのは、いわばならず者がこれからは人を殺してもよいと自分勝手にルールを変えるようなもので有り得ない話です。国会の憲法審査会で、3人の憲法学者がいずれも違憲と述べたことはある意味当然のことでした。

 情勢は予断を許しませんが、日本が平和国家であり続けるために、多くの弁護士会員、そして市民のみなさんと連携して頑張っていきたいと思います。

堂々と育休取れる社会に

 朝日新聞2015年3月7日付け35面「第2京都」面の「司法Voice」コーナーに拙稿が掲載されました。

 

 ご一読いただければ幸いです。

 

                    弁護士 福山和人

 

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  本件は、S大学(滋賀県大津市)に20年以上、正職員として勤務していた事務職員の解雇事件です。原告のAさんは、大学の事務部門のエキスパートで勤続20年表彰も受けた優秀な職員でしたが、2009年頃から上司に暴言を吐かれるなどのハラスメントを受けるようになり、2011年4月から2013年12月まで,前例のない守衛室での受付勤務、幼稚園勤務を命じられて晒し者にされ、2014年1月には大学の事務局長付きに戻されたもの、仕事も机も与えないという嫌がらせを受けた挙げ句、執拗な退職強要を受けて、2014年4月末日をもって解雇されました。被告は、原告を賞罰委員会も開かずに懲戒解雇(諭旨解雇)しておきながら、原告の抗議を受けて、「諭旨解雇」は書き間違いで「普通解雇」の意味であるとお粗末な弁明を行いました。また解雇前に原告が申し立てた労働局のあっせんで、被告はあっせん委員から退職勧奨を止めるよう注意されたのに対し、退職勧奨は止めるが解雇を考えるという信じがたい回答を行いました。被告は、その後の団交の席上でも、争うなら懲戒解雇して退職金もカットすると脅しをかけ、解雇後に実際に賞罰委員会への呼出状を送りつけるという報復的脅しまで行ったのです。
 このように、本件は、違法なパワハラ、退職強要、違法解雇、報復的脅し等々、違法行為のオンパレードともいうべき極めて悪質な事案でした。私も多くの労働事件を手がけてきましたが、これほど悪質な事案は希有です。

 

 Aさんが、このような仕打ちを受けるようになったのは、近年新たに常務理事に就任したB理事の存在が大きかったと思われます。自分の意見をはっきりと述べるAさんの存在が煙たかったのでしょう。しかし、大学のベテラン事務職員を受付や幼稚園に配置するなど、通常は考えられません。バンク・オブ・アメリカ・イリノイ事件の東京地裁平成7年12月4日判決では,銀行の管理職を受付に配転したことが、原告の人格権を侵害し,職場内・外で孤立させ,勤労意欲を失わせ,やがて退職に追いやる意図をもってなされたものであるとして、明白に違法と認定されました。本件の配転もその裁判例に照らせば違法性は明らかでした。

 

 また、Aさんははっきりと退職しないと答えているにもかかわらず、被告は繰り返し退職を強要し、それどころか仕事を与えない、机も与えないなどの嫌がらせまで行いました。退職するか否かは労働者の自由なので、退職しないと明確に意思表明した後に退職を求める行為は、下関商業高校事件の山口地裁下関支部昭和49年9月28日判決、日本航空事件東京地判平成23年10月31日等の裁判例に照らして、明らかに違法な退職強要です。そこで、Aさんは京都労働局にあっせんを申請したのですが、被告は、あっせんの席上、このまま退職勧奨を続けていると違法な退職強要になりかねない労働局に指摘されて、勧奨は止めるが解雇を考えるという信じられない回答を行い、その後間もなく解雇が強行されました。ちなみに被告は、懲戒解雇の一種である諭旨解雇を通告しましたが、合理的な懲戒理由を示さず賞罰委員会も開かずに懲戒解雇するのは違法という原告の抗議を受けて、「諭旨解雇」は書き間違いで「普通解雇」の意味であるとお粗末な弁明を行う有様でした。

 

 Aさんは、労働組合(きょうとユニオン)に加入し、解雇撤回を求めて団体交渉を行いました。しかし、被告は解雇を撤回しなかっただけでなく、団交の席上、理事(しかも弁護士!)が、解雇の効力を争うなら懲戒解雇に切り替えて退職金もカットするという報復的発言まで行い、その後Aさんには、賞罰委員会を行うので出席せよという呼出状が届くというとんでもない展開になりました。解雇して既に労働契約関係から離れている者に対して、懲戒手続を進めるなど無茶苦茶というほかありません。

 

 私たちは2014年5月7日に解雇無効を理由とする労働者としての地位確認、解雇後の賃金全額の支払、謝罪広告の掲示、慰謝料の支払いを求めて労働審判の申立を行いましたが、その直後に被告がAさんを賞罰委員会に呼び出すという非常事態を受けて、急遽5月12日に、労働審判法29条が準用する民事調停法12条に基づき、「賞罰委員会の開催その他の懲戒手続きをしてはならない」という審判前の措置申立を行いました。
 労働審判における審判前の措置とは、あらかじめ現状の変更を禁止しておかなければ労働審判が出てもその内容を実現できなくなるおそれのある場合に、審判を言い渡す前に現状の変更禁止を命ずる制度であり(例えば、配転命令の無効を労働審判で争っているときに、審判の結論が出るまで配転手続を止める等)、いわば労働審判を本訴とした場合の仮処分的な制度です。
 裁判所は、私たちの申立を無審尋で認めて、5月19日(賞罰委員会の2日前)に「懲戒手続きを進めてはならない」という決定を出してくれました。このスピーディな審理は画期的なことだったと思いますが、余りに無法な被告のやり方に裁判所もきっぱりとNO!のメッセージを発してくれたのだと思います。また全国的に見ても、審判前の措置申立の制度はあまり活用されていないようで、今後の活用が期待されるところです。

 

 労働審判は、6月20日、7月3日、8月19日の3回行われました。そこでは、被告は、Sさんの「問題行動」なるものを後付けであれこれ並べ立てて、解雇は合理的だったと弁明しました。しかし、審判の席上、そうした「問題行動」なるものについて「指導」や「教育」をしたのかと裁判所に問われ、被告代理人が改めて主張立証したいと述べたのに対し、裁判所から「今の時点で出ていないのならば、今後意味のある主張立証が出るとは思えないから、今さらそういった主張立証は不要である」と釘を刺され、逆に何の「指導」も「教育」もしていないこと、翻ってそもそも解雇事由など存在しないことが明白となりました。そうしたやりとりの結果、裁判所は当事者双方に対し、①解雇撤回、②解雇日に遡っての合意退職、③解決金3300万円の支払等を内容とする調停案を示しました。この金額は退職金と約4年分の賃金に相当する額で、定年まであと7年だったAさんにとって実質的な勝利的和解といえるものでした。

 しかし、被告がこの裁判所案の受諾を拒否したため、結局3回目の労働審判期日において、即日、同内容の審判が申し渡されました。被告はこの審判に対しても性懲りもなく異議申立を行ったため、本件は訴訟に移行しました。これほどまでに違法行為のオンパレードという事案はなかなかありません。このような理不尽な解雇を許さないという決意で、勝利目指して最後まで頑張っていきたいと思います(弁護団は当事務所の津島理恵、大江智子、福山和人の3名です)。

岩倉病院事件大阪高裁判決について

~育休取得を理由とする昇給拒否を違法とした事案~

                                              弁護士 福 山 和 人

 

【育休取得に朗報】

  育児・介護休業法10条は、育児休業を取得したことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いをしてはならないと定めています。

 しかし現実には、育児休業を取得できないケースが多いのではないでしょうか。

 特に男性となればなおさらでしょう。

 そんな中、育児休業の取得を考えておられる方に、朗報となる判決をかちとることができました。


【事案の概略】

 本件は、京都市内の岩倉病院に勤務していた男性看護師三尾雅信さんが、2010年度に3か月間、育児休業を取得したことを理由に、2011年度に職能給(要するに能力給)の昇給が認められず、かつ昇格試験を受ける機会を与えられなかったという事案です。

 三尾さんは、これらの措置が育児介護休業法10条に違反するとして、京都労働局に援助の申し立てを行い、労働局は病院に対し是正勧告を行いました。

 しかし、病院がこれに従わなかったため、やむなく三尾さんは昇給・昇格された場合との差額分の損害賠償と慰謝料を求めて京都地裁に提訴しました。


【1審の京都地裁判決(2013年9月24日)】

 1審判決は、昇給については、1年のうち4分の1に過ぎない3ヶ月間の育休取得によって、能力の向上がないと判断し、一律に昇給を否定する点の合理性には疑問が残るとしつつも、年齢給の昇給は行われたこと、職能給の昇給が行われなかったことによる不利益が月2800円、年間4万2000円にとどまること等の理由を挙げて、昇給を認めなかったことは育児介護休業法10条の不利益取扱の禁止に反しないと判断しました。

 他方、昇格に関しては、昇格試験を受けさせなかったのは違法として、昇格試験を受験させなかったことにについての慰謝料15万円の支払いを命じました。


【大阪高裁判決(2014年7月18日)】

 三尾さんは、1審判決を不服として、大阪高裁に控訴しました。

 高裁は、昇給について、病院が、遅刻・早退・年次有給休暇・生理休暇・慶弔休暇等により3ヶ月以上の欠勤が生じても職能給の昇給を認める扱いにしていたことに着目して、それに比して育児休業により3ヶ月欠勤した場合に昇給を認めないのは合理性がないという理由で、昇給を認めなかったのは違法と判断し、昇給していた場合の賃金との差額分の損害賠償請求を認めました。

 また高裁は,昇格については1審判決を維持し、慰謝料請求を認めました。


【高裁判決の意義】

① 不昇給と不利益突扱い

 育児介護休業法10条の不利益取扱いに関する裁判例としては、これまで賞与の不支給(東朋学園事件)や育休取得後の職務変更・成果報酬の減額(コナミデジタルエンタテインメント事件)などの事例がありますが、育休取得による昇給の停止が正面から争われた事例で、同条違反を認めたのは本件が初めてと思われます。育休取得を理由に賃金を支給しなかったり減額したというのではなく、昇給させなかったというだけでも違法となることを明らかにしたという意味で、本判決が実務に与える影響は大きいといえます。


② 成績主義・能力主義を仮装した不利益取扱いを断罪

 本件で不昇給となったのは、能力評価に基づいて昇給される職能給部分でした。

 病院は、育児休業中は実務経験を積むことができない以上、能力向上がないと評価して不昇給としたのであって、育休取得を理由に不昇給したのではないから、育児休業法10条には反しないと弁明しました。

 しかし、病院は能力評価といいながら、実際には三尾さんの能力を真正面から評価したわけではなく、要するに3ヶ月育休を取ったから能力が向上しなかったと決めつけて昇給を拒否しただけです。

 このような論法が成り立つとすれば、法的に保障された休業を取得した場合でも、休業した以上、能力が向上しなかったとこじつけることで何でも合理化されることになりかねません。

 高裁判決は成績主義や能力主義を仮装した不利益取扱いを断罪したという意味で大きな意義を有するものです。

 

 本判決については、病院側が上告したため、今後は最高裁で審理が行われることになりますが、育児休業取得の権利を確立するために、引き続き全力で頑張りたいと思います。

 なお、本件は、当事務所の吉田美喜夫弁護士(立命館大学法科大学院教授)と私の2人が担当しています。

成年後見制度とは?

 最近、ご高齢の方のご親族から、「一人暮らしの母親が認知症になったようで、高額の健康食品などをたくさん購入していることがわかった。どうしたらよいか,悩んでいる」といった御相談をよくお聞きします。こういうときに活用できるのが成年後見制度です。

 成年後見制度とは、精神上の障害により判断能力の不十分な方々(認知症の方、知的障害のある方、精神障害のある方など)について、①契約の締結等を代わりに行う代理人などの援助者を選任したり、②援助者による事前の同意なしに契約等ができないようにしたり、③勝手に契約等をした場合にはそれを取り消すことができるようにする等により、本人を保護し支援する制度です。

 成年後見制度には、任意後見制度と法定後見制度があります。
 任意後見制度とは、現在、判断能力がある方が対象で、将来判断能力が不十分になったときに備えて、あらかじめご本人と任意後見人が契約(任意後見契約)を締結しておき、将来判断能力が失われたときに任意後見人が本人を保護する制度です。

 法定後見制度とは、現に判断能力が失われたか低下している方が対象で、親族などの申立により、家庭裁判所が本人の援助者を選任し、その援助者に代理権や契約の取消権等を与えることにより本人を保護する制度です。法定後見制度には、ご本人の判断能力のレベルにより、①後見(判断能力が全くない場合)、②保佐(判断能力が著しく不十分な場合)、③補助(判断能力が不十分な場合)の3種類があります。

 成年後見(法定後見)の申し立ては、本人・配偶者と4親等内の親族が行うことができます。身寄りのない方については、市区町村長が申し立てを行うこともできます。 申し立てには、①申立書、②手数料800円、③登記印紙2600円、④切手(額は各地の裁判所で違うが、おおむね3000~5000円程度)、⑤申立人の戸籍謄本(本人以外が申し立てるとき)、⑥本人の戸籍謄本と戸籍の附票、住民票、⑦診断書、⑧登記事項証明書(東京法務局が発行する書類で、本人がすでに後見開始の審判等を受けているか否かに関する証明書)⑨成年後見人候補者がいる場合は、候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書(本籍地の役所が発行する破産宣告を受けていない旨の証明書)、登記事項証明書などです。申立書は定型のものを家庭裁判所で配布しています。

 申し立てにかかる費用は、自分で申し立てる場合は、手数料800円と登記印紙代2600円、切手代3000~5000円などと、後見・補佐の場合は医師の鑑定料がかかります。鑑定料は,5万円以下が全体の約68.9%、5万円超~10万円以下が29.7%で、全体の約98.6%の事件で10万円以下となっています(「成年後見関係事件の概況-平成24年1月~12月-」最高裁判所事務総局家庭局)。補助の場合は鑑定は不要なので、もっと安くすみます。また法定後見申立を弁護士に委任した場合の弁護士費用は、各事務所によって異なりますが、おおむね10~20万円位です。

 申し立てをしてから、審判までの期間は、2か月以内が約80.5%、3か月以内が90.8%と、約9割が3か月以内に終わっています(上記「概況」より)。申し立ての後は、家庭裁判所が申立人や関係者に対し聴き取り調査や、本人の面接、医師による鑑定などを行います。
   
  法定後見申立事件(後見・補佐・補助)のうち、申立が認められて成年後見人(後見人・補佐人・補助人)が選任された割合は、H24年度の場合、約91.9%で(上記「概況」より)、おおむね9割で申立が認められています。
 
 高齢者の財産を保全するための制度(サービス)としては、法定後見制度や任意後見制度以外にも、①弁護士と任意の財産管理契約を締結する方法、②金融機関と信託契約を締結して金融機関に管理してもらう方法、③銀行の貸金庫を利用する方法、④社会福祉協議会の地域福祉権利擁護事業等もあります。
 詳細は弁護士に御相談下さい。

 ラーメンが好きだ。おそらく週に3~4回はラーメンを食べているだろう。京都伝統の鶏ガラ醤油ラーメンはもとより、とんこつラーメンやみそラーメン、最近流行の魚介系なども旨いが、最近はまっているのは塩ラーメンである。
 百万遍から銀閣寺に向かって今出川通りの登り坂を上っていくと、「向日葵」という小さな店がある。ここの塩ラーメンを初めて食べたときは衝撃を受けた。こんに旨い塩ラーメンがあるとは!!! 澄み切った白湯スープ、コクの効いた塩味、コシの入った細めん、チャーシューはトロトロの柔らかさ、トッピングはシンプルに白髪ネギと海苔、旨いだけでなく見た目にも美しい。たまたま近くに寄ったときに何気なく寄ったのだが、思わず偶然の僥倖に感謝した。
 最近は塩だけでなく、醤油ラーメンも始めたようだが、とにかく塩がオススメだ。以前、高野にあった「小昼」のタンメンを愛した僕としては、「小昼」が閉店になって以来、寂しい思いを抱いていたのだが、これから「向日葵」通いが始まりそうである。

 12月6日に秘密保護法が成立した。世論の半数以上が反対、慎重審議を求める意見は8割を超え、廃案を求める叫びが国会を包む中、安倍首相は取り憑かれたように採決強行に突入した。

 国民主権の下では、政府の保有する情報は全て国民の財産である。権力者が都合の悪い情報を隠し、国民の判断を誤らせるような仕組みは国民主権に反する。福島原発の汚染水が「完全にコントロールされている」という安倍氏のオリンピック招致演説は、8割の国民が嘘だと思っている。しかし、嘘を暴こうとすると処罰されるのがこの法律だ。戦前の大本営発表と同じである。
 デモをテロに例えた石破幹事長、国家の安全より知る権利が優先するという考えは間違いと言う町村元官房長官、弁護士なのに法解釈が迷走しまくった森大臣など、推進した人々の知的レベルはお粗末だった。

 法案審議はわずか68時間、維新、みんなの党と合意した修正案に至ってはたった2時間。拙速を通り越して、もはや名ばかり国会だ。第1次安倍政権下で、教育基本法が改悪されたときでさえ、189時間の審議が行われた。なぜそんなに急ぐ必要があったのか、賛否の立場を超えた国民多数の疑問である。巷間言われているように、消費税増税による支持率低下の前に成立させたいということであれば、党利党略以外の何物でもない。秘密指定についてチェックする情報保全監察室などの4機関の提案は採決の2日前、NHKのキャスターですら何がどう違うのか分からないと言うほど生煮えの代物である。怒号の中、強行された参院特別委の採決は、速記録に「発言する者多く聴取不能」と記されたほどで、採決がされたかも疑わしい。10月15日に臨時国会が開会したときには法案は上程すらされていなかったし、参院選でも争点にはなっていなかった。自公に投票した人もこんなことは想定していなかっただろう。


 
 秘密保護法は内容も制定手続もお粗末極まりない稀代の悪法である。小手先の修正ではなく、廃止を目指すべきだ。安倍氏は、「成立させてしまえば国民は忘れる」と思っているのかもしれない。しかし我々は忘れまい、12月6日という日を。誰が賛成し、誰が反対したかを胸に刻んで、悪法廃止のたたかいを始めよう。

弁護士の昼ご飯

 弁護士さんは普段どういうところで昼ご飯を食べてるんですかと聞かれることがあります。私の場合は、ほとんどが事務所近くのお弁当屋さんかパン屋さんで買ってきて、PCを見ながら10分くらいでパパッと食べることが多いです。回りの弁護士を見ても、弁護士は全体的に「早飯」、「ながら飯」が多いようです。
 でもたまに気分転換をしたいときには外に出ることがあります。最近、事務所の近くに、かつやという和食ダイニングの店がオープンしました。昼時にふらっと寄って唐揚げ定食を注文したのですが、これが旨かった! 衣はカラッと、中はジューシー、サラダもついてボリューム満点。煮物などの小鉢が2つに漬け物と赤だしまでついて780円は安い。ご飯も旨かったし、本格的に修行しはったやなということが分かる味でした。店員さんも元気よくて、ちょっと幸せな気分になりました。

和食ダイニングかつやhttp://loco.yahoo.co.jp/place/4995172e9196af756bd9ffc624987ae30d02f7db/

略歴

京都府宇治市出身
府立城南高校卒業
高校時代は野球部に所属、3年間白球を追いかける毎日でした。

立命館大学法学部卒業
久岡ゼミ(刑事訴訟法)
1999年
司法試験合格(54期)
2001年
弁護士登録、京都法律事務所入所

2011~2014年度 京都弁護士会労働と社会保障に関する委員会委員長

自由法曹団本部常任幹事、2015年度京都弁護士会副会長

労働弁護団幹事

  • 関西建設アスベスト京都訴訟
  • ジヤトコ偽装請負解雇・雇止め事件
  • 社保庁分限免職処分取消訴訟
  • 友禅一般解雇事件
  • 駒タクシー違法配転事件
  • キャビック未払賃金請求訴訟
  • 地労委労働者委員不当任命取消訴訟
  • 京都市教組超勤訴訟
  • シベリア抑留者国家賠償請求訴訟
  • 中国残留孤児国家賠償訴訟事件訟

労働事件(解雇・更新拒絶・賃金不払い・不当労働行為など)。

刑事事件、少年事件。

一般民事事件(借地借家・交通事故・不動産・損害賠償・消費者被害など)、家事事件(離婚・相続・遺言・遺産分割など)、自己破産・債務整理・個人再生等。

憲法問題、労働問題ほか各種学習会の講師。

暗い顔で事務所に来られた方が、安心した顔をされるとこちらもうれしいものです。今後も、依頼者、相談者の方々に喜んでいただけるように、技術と感性を磨いていきたいと思います。
事件としては、だいたいの事件は取り扱います。
特に力を入れているのは、労働事件、刑事・少年事件などですが、お悩みのことがあれば、手遅れになる前に何でも気軽にご相談ください。