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2013年5月アーカイブ

1 事案の概要

  本件は、被害者が国道をバイクで走行中、加害者が安全確認を怠ったまま、普通乗用自動車で左方の脇道から右折進入しようとしたために、先に交差点に進入していた被害者のバイクに衝突し、被害者が左膝前十字靱帯損傷、内側半月板損傷の傷害を負った事案です。
 原告は、事故後3年8ヶ月後で症状固定し(固定時47歳)、後遺障害等級12級13号と認定されました。

 

2 争点

  主な争点は、①後遺症逸失利益、②慰謝料(入通院分、後遺症分)③過失相殺の可否でした。特に逸失利益については、左膝前十字靱帯損傷、内側半月板損傷による膝の痛み等は機能障害ではなく神経症状だから、労働能力喪失期間は67歳までは認められないというのが保険会社の主張でした。

 

3 当方の請求

  こちらは、後遺症逸失利益(12級13号)は就労可能年齢67歳までの20年分で671万0213円、入通院慰謝料200万円(入院48日、通院54日、通院期間3年6ヶ月)、後遺症慰謝料(12級13号)300万円、その他治療費等を含め、既払金を除き総額1374万円余りを請求しました。

 

4  任意保険会社の対応
  任意保険株式会社の回答額は、後遺症逸失利益が5年分233万0967円、後遺症慰謝料93万円、入通院慰謝料83万1400円、過失相殺20%、既払金を除き総額338万円余りを支払うというものでした。

 

5   解決水準
   余りにも開きがあったので、当方としては交渉を早々に打ち切って訴訟を提起しました。提訴から5ヶ月経った時点で、裁判所が和解案を提案し、その内容で和解解決を図ることができました。
  裁判所の和解案では、入通院慰謝料はこちらの請求額に近い170万円、逸失利益はこちらの主張通り671万0213円、後遺症慰謝料もほぼこちらの請求額に近い280万円が認められ、10%の過失相殺がされたものの、既払金を除き総額1152万円の請求が認められました。

 

6 振り返ってみて
  本件は、左膝前十字靱帯損傷、内側半月板損傷の傷害による左膝痛等の症状が、12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当すると判断された事案です。被害者は、学生時代、剣道部に所属するスポーツマンでしたが、事故後は走れなくなり、正座や階段の昇降にも不自由を来すようになってしまいました。
  保険会社は、上記の通り、神経症状だから改善が期待できるとして5年分でよいと主張しました。
  しかし、本件では、左大腿の顕著な筋萎縮が見られたこと、膝蓋大腿関節に軋轢音があったこと、膝の屈伸が困難になったこと、抜釘時に軟骨についてデブリドマン(壊死組織などの切除)を行ったが、膝蓋大腿関節部に受傷後に生じた深い軟骨障害が認められたこと、後遺症診断書にも「不変のみこみ」と記載されていること等から、気質障害であって改善の見込みがないことを丁寧に主張立証しました。それが功を奏して、こちらの主張に沿った和解案を引き出すことができたと思います。また、提訴から和解案提案まで5ヶ月というスピード解決を図れたのも良かったと思います。

 

略歴

京都府宇治市出身
府立城南高校卒業
高校時代は野球部に所属、3年間白球を追いかける毎日でした。

立命館大学法学部卒業
久岡ゼミ(刑事訴訟法)
1999年
司法試験合格(54期)
2001年
弁護士登録、京都法律事務所入所

2011~2014年度 京都弁護士会労働と社会保障に関する委員会委員長

自由法曹団本部常任幹事、2015年度京都弁護士会副会長

労働弁護団幹事

  • 関西建設アスベスト京都訴訟
  • ジヤトコ偽装請負解雇・雇止め事件
  • 社保庁分限免職処分取消訴訟
  • 友禅一般解雇事件
  • 駒タクシー違法配転事件
  • キャビック未払賃金請求訴訟
  • 地労委労働者委員不当任命取消訴訟
  • 京都市教組超勤訴訟
  • シベリア抑留者国家賠償請求訴訟
  • 中国残留孤児国家賠償訴訟事件訟

労働事件(解雇・更新拒絶・賃金不払い・不当労働行為など)。

刑事事件、少年事件。

一般民事事件(借地借家・交通事故・不動産・損害賠償・消費者被害など)、家事事件(離婚・相続・遺言・遺産分割など)、自己破産・債務整理・個人再生等。

憲法問題、労働問題ほか各種学習会の講師。

暗い顔で事務所に来られた方が、安心した顔をされるとこちらもうれしいものです。今後も、依頼者、相談者の方々に喜んでいただけるように、技術と感性を磨いていきたいと思います。
事件としては、だいたいの事件は取り扱います。
特に力を入れているのは、労働事件、刑事・少年事件などですが、お悩みのことがあれば、手遅れになる前に何でも気軽にご相談ください。