畑地弁護士の「法の文句は俺に言え!」の最近のブログ記事

違反建築物に関する公文書公開請求事件

公文書公開請求に対する非公開決定に文句を言ったら,

審査会が私の文句をうけとめてくれました!


昨年6月,ある違反建築物に関する行政の違反指導内容がわかる行政記録について,京都市情報公開条例に基づく公文書公開請求をしました。この違反建築物に対して,京都市がちゃんと違反指導をしているのか,しているとしてどのような内容の指導をしているのかを知る必要があったからです。

 

これに対し,京都市長は,「当該公文書の存否を答えるだけで,請求対象の建築物が建築基準法に違反しているかどうかがわかってしまう」ため,個人のプライバシーを理由に「非公開決定」をしました。

 

そこで,昨年8月,京都市長に対し,非公開決定に対する異議申立てを行いました。

 

異議申立てでは,(大ざっぱですが)ある建築物が建築基準法に違反しているかどうかは一般的に言って保護すべき個人のプライバシーとまでは言えないし,市民の「知る権利」や公の利益の見地からも開示すべきである旨を主張しました。

 

京都市では,公文書公開請求に対する異議申立てがあった場合,案件について,学識経験者等で構成する京都市情報公開・個人情報保護審査会という機関に諮問することになっています。

 この件では,半年以上かけて,審議会で検討されていたようです。

 

 そして,3月30日,審査会は,「非公開決定を取り消すべき」との答申を京都市長に対して提出したとのことです! そのお知らせが本日郵送されました。

 

 実はこの違反建築物,ずっと前に建築基準法に基づく是正命令が出され,その事実は公表されています。審査会はこのことに着目したようです。現在の所有者と,是正命令を受けた所有者とは異なりますが,現在の所有者にとって,当該建築物が建築基準法に違反するという事実は「不名誉なことで通常他人に知られたくないものとまでは言えない」と審査会は判断しています。これはかなりこちらに有利!

 審査会はあくまで諮問を受けて答申しただけで,最終判断は公開の実施機関である京都市長が行います。しかし,実施機関は,審査会の答申を尊重して不服申立てに対する決定を行うこととされていますので,少なくとも同じ理由で再び非公開決定をすることはできないでしょう。

 

 どのような決定になるか,楽しみです。

今日は、政局に文句。

民主党の政治改革推進本部で、衆院比例定数80削減法案を通常国会に提出することを確認したそうです。

野田首相は、消費税増税、社会保障と税の一体改革など、
さらなる国民負担増をはかる政策を打ち出す一方で・・・

「一体改革は、政治家自ら身を切る政治改革を実施したうえで必ずやりぬく」
なんて、もっともらしい理屈で、比例定数削減を正当化してます。

しかし、国会の議席というものは、民意を国政に反映する手段であって、
政治家個人や政党の私物ではありません!

比例部分は現行制度でもっとも民意を反映する部分。
(一方、小選挙区は死票が多く、得票数と議席数の乖離が激しい)

小選挙区制度を温存しつつ、比例定数部分をさらに削減することは、
民主党のような大政党にはヒジョーに有利な結果を招くのです。

つまり、比例定数削減は、自分たちの身を切るどころか、
増税に反対する民意を切り捨て、大政党が幅を利かせる政治の延命をはかるものに他なりません。

また、比例定数削減で浮く予算は年間約56億円
一方、政党助成金は年総額319億4200万円
そんなに自らの身を削りたいなら、まずは政党助成金を廃止されてはいかがだろうか?

でも、民主党はそれをしない。
なぜなら、民主党の収入に占める政党助成金の割合は約8割!

政党助成金にメスを入れない限り、身を切るだなんて、ウソッパチもいいところ。
政党助成金を廃止すれば、ちゃんと自らの身を削ることになりますよ♪

最近、遺言に対する関心が高まっているように思えます。


法律相談でも、遺言についての相談が少なからず寄せられます

そして、遺言について特に関心が高いのは、お子さんがいらっしゃらない方のように見受けられます。


お子さんがいらっしゃらない高齢者の場合、法定相続人になるのは、たいてい、配偶者と傍系(兄弟やその子)です。しかし、傍系の方々とは疎遠になっている場合も多く、生前ほとんど関係が薄かった傍系の人物に自分の遺産が渡ってしまうことに抵抗感を示される方も少なくありません。また、残された配偶者のことも気がかりでしょう。


そこで、

遺産を疎遠な兄弟には渡らないようにするにはどうすればよいか?


「全財産を配偶者(夫もしくは妻)に相続させる」

という内容の遺言書を作っておけば、死亡した時に配偶者が存命であれば、ご兄弟には権利が及びません。(兄弟等の傍系には遺留分はありません)


では、こういう遺言を作った後、先に配偶者が亡くなられた場合は、どうなるか?

最近の最高裁判決によれば、「遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人(法律の定めによって相続人になり得る人)が遺言者の死亡以前に死亡した場合」には、遺言は原則として無効となります(2011年2月22日判決)。したがって、このままでは、相続人である兄弟にも権利が発生する可能性がどうしても残ってしまいます。


したがって、ご希望を最大限反映させるためには、「配偶者(夫または妻)が先に死亡していた場合はどうするか」についても、遺言書に明記しておかなければなりません(これを「予備的遺言」といいます)。遺産をあげてもいいと考えている個人もしくは団体に遺贈する旨を書いておけばよいでしょう。

なお、このような場合は、遺言書の内容が複雑となりますので、弁護士に相談されることをお勧めします。

「更新料も有効」 暴走する最高裁!?

たてつづけに、最高裁が不当判決です。

最高裁判所は、15日、建物賃貸借契約における「更新料」について、
その経済的合理性を認めて、
「高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り」
(もう、お馴染みのフレーズになってしまいました)
消費者契約法10条に反しない、
と判断しました。

ここでも、先の敷引特約有効判決と同様、
「契約書に書いてあるでしょ?」
などの、契約の自由の論理がむき出しです。

しかし、建物賃貸借における「更新」の扱いは、
借地借家法上、借主に有利に保護されています。
貸主が更新を拒絶するためには、
貸主がその建物を使用する必要性などの「正当事由」がないといけません。
(借地借家法28条)

もともと「他人に貸すために建てられた建物」の場合、
たいがいの場合は、「法定更新」が可能です。
弱い者の居住権は法によって守られるのです。

しかし、大半の借主は、
「更新料」を払わないと、ちゃんと更新できない、
契約期間を超えて適法に住み続けることができない、
・・・かのように錯覚するのではないでしょうか?

そんなに「業界ルール」にメスを入れることが怖いのか。

消費者契約法のみならず、借地借家法をも愚弄する判決です。

「敷引有効」 最高裁がまたまた不当判決!

最高裁に文句あり!

7月12日、最高裁判所は、賃貸借契約における「敷引特約」について、
敷引特約が消費者契約法10条により無効とした原審を破棄して、
これを有効とする判決をしました。

この結論自体は、今年3月にも同様の判断が示されたので、さほど驚いてはいませんが・・・

↓(3月の最高裁判決については、村松弁護士がコメントされております)↓

その理由付けを一部抜粋すると、

「賃借人も、賃料のほかに賃借人が支払うべき一時金の額や、その全部ないし一部が建物の明渡し後も返還されない旨の契約条件が契約書に明記されていれば、賃貸借契約の締結に当たって,当該契約によって自らが負うこととなる金銭的な負担を明確に認識した上、複数の賃貸物件の契約条件を比較検討して,自らにとってより有利な物件を選択することができる」

つまり、
「ちゃんと契約書に書いてるでしょ?」
「賃借人も自由に選択できるでしょ?」
ってなこと言ってます。

そのうえで、
保証金100万円のうち60万円の敷引は「高額に過ぎるとはいい難く」
「消費者契約法10条により無効であるということはできない」
と判断しました。

このような論理が許されて、果たして
「交渉力の格差の是正」を目的とする
消費者契約法の存在価値はあるのでしょうか?

3月の最高裁判決も、借り主に不利な判断でしたが、
まだ、「交渉力の格差の是正」を少しばかりは意識していました。
今回は、全く意識してません。
(ちなみに、3月の判決は「第一小法廷」、今回は「第三小法廷」。別の裁判体です)
「嫌なら契約するな」とばかりに、消費者の弱い立場を少しも考慮してくれていません。

「自由に選択できる」ですと?

賃貸住宅の業界では、
「敷引」「礼金」「更新料」など
敷金以外の一時金を要求する物件であふれています。
これらが要求されない物件を見つけるのにどれだけ苦労すると思ってるんですか!

60万円が「高額にすぎない」ですと?
やはり最高裁判事ともなると、金銭感覚のレベルが違いますね!

まだまだ、文句はいっぱいありますが・・・今回はこの程度で。

梅小路公園に水族館なんかいらない訴訟

このたびの東日本大震災で、改めて「広域避難場所」の重要性を再認識しました。
市街地では特に、大勢の人数が逃げ込める大きな空間が必要です。

ところで、
広域避難場所」にも指定されている梅小路公園(京都市下京区)。

現在、この公園に、オリックス不動産が建設中の「水族館」をめぐって、
付近住民の方々を中心とする71名が、
「梅小路公園に水族館なんかいらない!」と声をあげ、
京都市を相手に、「水族館設置許可」の取消しを求める訴訟が行われています。

(当事務所からは、津島弁護士と私が弁護団として参加しております)

この訴訟で問われていることの一つとして、
「水族館建設により広域避難場所としての機能が損なわれるのではないか」
という問題があります。

災害発生時には、梅小路公園に5万人もの市民が押し寄せることが想定されています。
しかし、この「水族館」の存在によって、
公園の北側から避難してくる人々は、どうしても迂回を余儀なくされる構造になってます。
すぐに駆け込めないような構造では、広域避難場所としての機能が損なわれるのです。

また、建物の崩壊の危険性もないとはいえません。
広域避難場所において、
建物崩壊による二次被害が発生してはシャレになりません。

京都市は、災害対策機能よりも、オリックス不動産という一営利企業の利益を重視するというのでしょうか?

この訴訟の次回期日は5月26日午前10時 京都地裁203号法廷 で行われます。
ぜひ、ご注目ください。

身元保証人とは(その2)

 (その1)はこちら↓

 「親戚Aが勤務先で横領をしてしまったところ、その勤務先が、身元保証人である私に対して、Aの横領行為により生じた損害の全額を賠償するよう請求してきた!」

 このような場合、身元保証人は、発生した損害の全てについて責任を負わなければならないものなのでしょうか。

 「身元保証ニ関スル法律」第5条によれば、
 裁判所は、身元保証人の損害賠償の責任及びその金額を定めるにあたっては、①被用者の監督に関する使用者の過失の有無、②身元保証人が身元保証をするに至った事情や注意の程度、③被用者の任務、④身上の変化、⑤その他一切の事情を斟酌するもの、とされています。

 つまり、身元保証人だけに無制限な損害賠償責任を負担させることは酷であり、かつ使用者との責任の分担を図る見地から、裁判所に広範な裁量権を与えて、契約の具体的な事情に応じて、身元保証人の保証責任の限度をできるだけ狭めることができるようにしています。

 裁判例においても、
 使用者側において、監督不十分、または不正防止の方策が不十分であったこと等の事情を斟酌して、損害賠償額を減額した例
 親族の身元保証をした事例で、保証責任を1~3割程度軽減した例
などがあります。

 このように、身元保証人の責任の範囲は、具体的な事情によっては軽減できる場合が少なくありません。
 身元保証人としての責任を追及された場合、まずは弁護士にご相談ください。
                                                            (つづく)
この間、司法修習生に対する給費制度の維持を求めて活動してまいりましたが、

詳しくはこちら↓

11月26日に「裁判所法の一部を改正する法律案」が国会で可決され、
「給費制の廃止」及び「貸与制への移行」が一年延期されることとなりました。

日弁連の署名にご協力していただいた方をはじめ、
各方面でご尽力賜りましたみなさまに、心から感謝申し上げます。

とりあえず、今年11月からの司法修習生には適用されず、
みなさんがお金の心配をすることなく司法修習にとりくめることは、とても喜ばしい限りです。
修習生のみなさん、しっかり修習に励んでください!

しかし、これはあくまで「一年延期」であり、
このまま放っておけば、一年後には貸与制に移行してしまいます。

ですので、引き続き、給費制維持を完全に勝ち取るまで、がんばりたいと思います。

ところで、
この運動をするなかで、
「なんで、弁護士だけ特別扱いするんだ」
「贅沢な要求ではないか」
という批判に直面しました。

給費制維持にまったをかける一部マスコミの論調にも悩まされています。

悪意ある論調には毅然と立ち向かうとともに、
弁護士の公的役割・社会的使命と、
それを国が支えていくことの意義について、
これまで以上にしっかり、市民のみなさまにお伝えしていかなければならないと思っています。

「1年延期」というとりあえずの結果は、
完全勝利ではないものの、
弁護士・法律家に対する社会的期待が少なからず込められたものだということを
よくよく自覚して、
日々の弁護士活動にもしっかりとりくんでいきたいと、気持ちを新たにしました。

身元保証人とは(その1)

 就職する際に、就職先から、家族か親戚の誰かを「身元保証人」にするように要求されることがあります。
 本人から頼まれて身元保証人となる方は、通常、例えば・・・
「○○が貴社に採用されるにつきましては、私は○○本人の身元を保証し、故意又は過失により○○本人が貴社に損害を与えた場合には、○○本人と連帯してその損害を賠償いたします」
といった内容が記載された「身元保証書」にサインすることを求められます。

 このような身元保証と、借金などの保証との違いは、保証する金額がハッキリ決まっていない点にあります。身元保証人となる時点では、本人の業務上のミスなどにより、将来どのくらいの額の賠償を求められることになるのか予測できません。

 そこで「身元保証ニ関スル法律」では、身元保証人が過度な責任を負うことがないよう、身元保証契約に一定の制限を加えています。
 その具体的な内容は、
 ① 保証期間の上限は5年、期間の定めがない場合には原則3年
 ② 本人が「業務上不適任又は不誠実」であったり、「任務又は任地」が変更し、保証人に危険が及ぶ場合には、遅滞なく身元保証人に通知する義務を使用者に課している
 ③ ②の通知をされた保証人はそれ以後の保証契約を解除できる。
   保証人自ら②の事実を知ったときも同様に解除できる

 しかし、一定の制限があるといっても、借金の保証人と同様、リスクを伴う契約であることには変わりありません。
 家族のため、また、親戚関係などの付き合いから、安易に身元保証に応じてしまう人が多いのが実情ですが、身元保証を求められた場合は、よくよく考えるとともに、応じる場合には本人をしっかり指導・監督する心持ちですべきでしょう。 
                                                            (つづく)

司法修習生の給費制の廃止に文句あり!

 最近,京都弁護士会の一員として,司法修習生の「給費制」の存続を求める活動にとりくんでいます。

 給費制の問題について,詳しくは日弁連ホームページをご覧下さい。

 京都における取り組みなどは,こちらの司法修習生給費制維持活動ブログからどうぞ。

 全国における取り組みなどは,法科大学院生や若手弁護士などでつくる「ビギナーズ・ネット」のホームページをご覧下さい。

 司法試験に合格した人は,法律家となる前に「司法修習生」として1年間の研修を受けなければなりません。これまでは,研修期間中の給与が支払われていたので,生活の心配をすることなく,存分に研修に集中することができました(給費制)。私たち弁護士はみな,給費制という形で国民の皆さんに支えられながら,弁護士資格を得ています。

 ところが,2004年の裁判所法改正によって,今年11月から「給費制」から「貸与制」への切り替わります。法曹資格を得るために司法修習が必須であるにもかかわらず,お金がない人は国から借金をしながら研修を受けることを余儀なくされるのです。

 この裁判所法改正問題が議論された国会では、司法修習生の給費制の効果について「公的使命を自覚してもらう」「貧富の差を持ち込まない」点を強調し、「貸与制」に反対する意見(2004年12月、大門実紀史・日本共産党参議院議員の質問など)があった
にもかかわらず、法改正が強行されてしまいました。

 現状でも,司法修習生の約半数は,大学や法科大学院在学中に奨学金や教育ローンを利用するなどしているため,多額の「借金」があります。これから法曹をめざそうという人のなかにも、経済的事情からその道を断念する事態がすでに生じています。給費制の廃止はそれに追い打ちをかけるものです。

 また,これは司法修習生だけの問題にとどまらないと考えます。
 私は,財政上の理由から国が法曹養成に責任を持たなくなってしまうことで,「基本的人権の擁護と社会正義の実現」という弁護士の社会的使命が忘れ去られてしまい,弁護士が単なる「営業上の資格」に過ぎないととらえられてしまうのではないかと,危惧しているのです。

 給費制の存続を勝ち取るために,がんばりたいと思います。
 この問題に注目していただければ幸いです。

1976年生まれ。
立命館大学法学部卒業。
法律事務所職員として勤務。
龍谷大学法科大学院卒業。

2008年
 司法試験合格(新62期)。
2009年12月
 弁護士登録 京都法律事務所入所

京都弁護士会所属委員会:消費者保護委員会、民暴・非弁取締委員会、法科大学院との協力・連携に関する委員会/自由法曹団京都支部事務局/京都敷金・保証金弁護団

一般民事(借地借家・交通事故・不動産・消費者問題など)
家事事件(離婚・離縁・相続・財産管理・遺言など)
自己破産・債務整理・個人再生など
労働事件(労働者側)
行政事件