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2014年10月アーカイブ

 

 前回は,熱気球に乗って,「風の強さや向きは,高度によって違う」ということを実感したお話をしました。

 でも同じことは,グライダー乗りとしても,とても大切な「感覚」なんです。

 

 グライダーは(モーターグライダーは別として)動力がありませんから,紙飛行機のように「落ちながら」飛びます。でも,上昇気流があるとそれに乗って,高度を稼いで,また遠くに「落ちながら」飛べるんですよね。

 

 でき方によっていろんな種類に分けられる上昇気流のうち,もっともポピュラーなのが,「サーマル」。地面の熱によって暖められた空気が,ぐらぐら煮立ったお鍋の「泡」のように,底から上がってくるという,「熱上昇気流」のことです。

 サーマルは大体まあるい球形というか,円筒状というか,そういう形をしています。グライダーが飛行中にサーマルに当たると,飛んでいる空気自体が持ち上がるわけですから,グライダーもお尻からぐぐっと持ち上げられます。そのまままっすぐ飛び続けると,サーマルの中からあっという間に出てしまうので(サーマルが直径2kmも3kmもあれば別ですが,せいぜい数百メートルですから),サーマルの中でちょうど円を描いて飛び続けられるように,くるっと旋回するわけです。

 サーマルの中で上手にくるくる旋回し続けると,グライダーは上昇気流に乗ってどこまでも(サーマルのトップまで)上がっていけます。その軌跡は,螺旋階段のような感じです。

 でも,風が吹いていると,グライダーは気流の中では円を描いて飛んでいても,空気自体が流されているわけですから,上がりながら風下に流されるんですね。

 

 さあ,上空400~800mの層では北風が吹いているとしましょう。ところが800m辺りでウインドシアー(風の変わり目)があり,800m~1200mでは西風が吹いていたらどうでしょうか。

 グライダーパイロットはサーマルを捕まえて,鼻歌交じりにぐんぐん高度を稼いでいきます。400,500,600・・・バリオ(昇降計)は景気よく上向いて+2~2.5m/s(1秒間にグライダーが2~2.5m上昇している,ということです)を指しています。さあいいぞ,今日の雲底は1500mはありそうだから,トップまで使い切って,1500まで上がったら次の旋回点へ飛び出そう!とか考えているうちに,700,800・・・あれ?あれ?れれ?!ない!サーマルが無くなった!!しゅるるる・・・と下を向き始めるバリオメーター。おかしいなあ,もうこのプラス(サーマル)は終わりか・・パイロットはつぶやきながら,そのサーマルを後にして飛び出すかもしれません。そしてサーマルの周囲には必ずと言っていいほどあるマイナス(沈下)にたたかれ,あれよあれよという間に高度は600,400・・・そして敢えなく撃沈されて旋回点は回れずランウェイに帰投してくる・・・。

 ああ,幾度となく私も繰り返したよくある悲しいお話です。

 

 でも,しかーし。このような風の変わり目には,サーマル自体も少し「移動して」ねじれていることがあるんですよね。下手すると,折れ曲がっていることも。そんなときは,急になくなった辺りで,少し風上や風下に足をのばして,探ってみる必要があります。

 旋回しながら,景色や雲の動き,流れ方や,上空の雲との位置関係や,そして何より「尻バリオ」。身体,特にお尻で感じる持ち上げられ方や,風の音,空気の音,匂い(はあんまりしないけど),そんないろんな「情報」を,全身を耳のように研ぎ澄ませて感じ取る,そうしないと風をつかめない。

 それが,グライダーのとびっきりのおもしろさです。

 

 ああ,ホントに飛びたいな・・・。

 

略歴

京都市右京区太秦で出生。3歳から富山県で育つ

1993年3月
富山県立高岡高校卒業
1993年4月
大阪大学文学部入学
大学時代は体育会航空部の活動に明け暮れる

1999年3月
2年留年の後、大阪大学文学部文学科を卒業
フリーター生活をしていた2000年11月、一念発起して司法試験に挑戦
受験時代は京都の受験予備校(伊藤塾)に通う

2002年11月
司法試験合格
1年間の実務修習を京都で経験
2004年10月
京都法律事務所 入所
2005年、2010年にそれぞれ男の子を出産し、現在2児の母

弁護士会委員会所属

【京都弁護士会】
刑事委員会副委員長
司法修習委員
検察審査会PT
死刑制度調査検討PT

【日本弁護士連合会】
刑事弁護センター幹事
法廷技術小委員会

一般民事事件(借地借家・交通事故・不動産・住宅問題・医療過誤問題など)

家事事件(離婚・相続・遺言など)

労働事件、労災事件、刑事事件、少年事件。

債務整理、破産申立事件など。

子どものころより空に憧れ、大学時代はグライダーで日本各地・オーストラリアなどの空を飛び回ってきました。操縦教官の国家資格も取得し、一時はエアラインのパイロットを目指すも受験に失敗。失意のフリーター生活の後、社会に貢献したい、常に自分自身を向上させられる仕事に就きたいと決意し、司法試験を目指しました。
今は、大地にしっかりと足をつけて、依頼者お一人お一人の悩みに寄り添い、ともに歩む弁護士でありたいと思っています。
特に、離婚・親子など女性が抱える問題に、共に悩み、しっかりした解決をお示ししたいと思います。
また、刑事・少年事件にも力を入れています。